「おはよう、尊徳君」校門の300メートル手前で俺に気づいたななせが駆け寄ってきた
「ああ、おはよう、ななせ」ななせは満面の笑みを浮かべた
「へへ~」俺にぴったり寄り添って歩くななせ
「あのふたり付き合ってたの」と周りから声が聞こえた
「おい、くっつきすぎだろ」
「いいじゃん、ねえ、ノン君」明らかに周囲のザワツキが大きくなった
「ねえ、空手部にも顔出すでしょ」放課後、バスケの練習中にななせが顔を出した
「ああ、行くよ、あと30分くらいで」
「待ってる」
「おい、尊徳、結城と付き合ってるのか?」
「ああ」俺はさっそうとシュートを決め微笑んだ
空手部にはななせしか残っていなかった
「相変わらず一人か」
「みんな気を利かせてくれたんだよ」
「言ってくれるね」
「ふふ、さあ、今日は少し型をおぼえてもらうわ、あたしだっていつまでもへっぴり腰の男に負けたくないし」
「はいはい」俺はななせの指導を受け、30分後にはなんとかさまになるよになっていた
「さすが、センスいいね、ノン君」
「ありがとう、先生がいいんだよ」
「ねえ、今度家で一緒に勉強しない?」
「そうだな、そっちも教えてもらうことになるけどね」
「ノン君の得意分野は、お、し、え、て、ね」ななせはウインクした
「え、何だよ?」
「もう、恋愛部門、忘れたの失恋少年、あたしはずっと片思いだったから、失恋経験無いし」
「わかったよ」
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