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当日は私と娘が姪を迎えに行った。
昼前に姉の家に着くと、玄関にバッグを抱えた姪が待っていた。
〈マ~イナ~!〉
{コ~ハル~!}
2人は跳び跳ねながらよく分からない踊りでキャッキャとはしゃいでいた。
後から出てきた姉は一瞬だけ私と目を合わせた後で姪に目を向け、あまりはしゃぐなと注意しながら背中を押して車に押し込んでいた。
「楽しんでねー?」
〔………うるさい。それより……黙っててくれるんだよね?〕
「約束は守るよ。あ、証拠として写真よろしくね?」
〔は?写真?……撮れって?〕
「一番わかりやすいからね。撮って送るだけでいいんだから」
〔…………わかった。…マイナお願いね〕
車に乗り込むと後部座席の2人はもうスマホでなにやら見せあいをしていて、私と姉のやり取りなど全然見ていなかった。
ミラーに映る姉の姿が見えなくなると娘と姪はすぐに私に話しかけてきた。
〈パパお昼ご飯なんか食べてくんでしょ?〉
「ん?あーそだな、なんか食べたいものあるか?」
{お寿司食べた~い!サーモン!}
〈ね!お寿司!お寿司!〉
「……回ってるのでいいよな?」
〈回ってるほーがいい~!〉
2人の希望で回転寿司に立ち寄り、マグロしばりの娘とサーモンしばりの姪それぞれ気が済むまで食べ続け、デザートは違う店がいいとすぐに別の店に向かった。
行列に並んで持ち帰りで買って家に帰ると、2人はリビングでペロッと平らげて満足げな顔でお腹をさすっていた。
〈ふぅ……パパ食べないの~?〉
「パパ甘いもの食べないの知ってるだろ?」
{え?じゃ食べちゃっていい?}
「いいよ、2人で分けて食べちゃって」
〈やった!これも気になってたんだよね~〉
「いつもそーだな。……太るぞ?」
〈運動してるから大丈夫~!ね~マイナ!〉
{ヒヒッ!私はもっと太れって言われてるからへ~きだよ~!}
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