娘と姪が2階にあがり、リビングにはほろ酔いの姉と私だけになっていた。
ツマミくらいは作ると、姉がキッチンに立ってしばらく…。眉間にシワを寄せた姉が私を呼んだ。
〔みつ…。アンタ、人の道外れた事してないだろうね?〕
ドスの利いた声で姉が迫り、ビビりながら応えた。
「な…なにいきなり…?」
〔コレ…アンタだよな?〕
姉はキッチンのゴミ箱に入っていた使用済みのゴムを指差した。
「あ…あぁ…まぁ…。」
〔アンタの趣味は知ってるけど、まさかって事はないよな?〕
「…まさかって?」
〔コハルって事はないよな!?〕
「は…はぁ?そんなわけ…」
〔……アンタいまウソついたろ!目反らした!〕
いきなり胸ぐらを捕まれ壁に押し付けられた。
思い込みの激しい姉は、一度そうなったら何を言っても聞かない。
私が何を言ってもウソだホントの事言えと凄まれていた。
酔っていると言ってもかなりしつこく姉に問い詰められ、私もさすがにイラついて姉の腕を取り、逆に押し返した。
「いい加減にしろよ!テメーこそ人の事言えんのか!」
初めて姉に反抗したからか、姉は私の勢いに怯み驚いていた。
「人に説教できるほどテメーは偉いのか!?家に男連れ込んでるテメーはそれほど出来た人間でもねーだろが!」
義兄は単身赴任で家をあけていて姉は専業主婦。昼間にどこぞの男を引き込んで浮気していた。
たまたま学校から早く帰った姪がその現場を目撃してしまい、ひとりで抱えきれずに娘に話し、その相談を娘から聞いていた。
バレていたとは思っていなかった姉はその場でへたり込み呆然としていた。
「人の家の事を突っ込むよりそこなんとかしろよ」
言い放って私はまたソファに座って酒を煽った。
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