食べ終えた食器類を片付けながら娘を呼び、キッチンで聞いた。
「コハル、ユウセイ君って何か隠している雰囲気ないか?」
〈ん?何かってなに?〉
「いやわからん。なんとなく素を見せてないって言うか…」
〈あー。普段はすごい甘えっ子って聞いたから、そこじゃない?〉
「そーなのか?」
〈うん、沙織ちゃんが家じゃいつもくっついてるって言ってたよ?〉
「ウチみたいな感じかな?」
〈そ~じゃない?〉
「ほぉん。まぁいいや、とりあえず向こう行こうか」
追加の酒とソフトドリンクをテーブルに運び、彼女らの前に座った。
「さてと…コハル、お嬢。今日は夕飯だけ食べに来たってワケじゃないよな?お嬢は飲んじゃってるし」
『エヘヘ…まぁね。コハルちゃんと相談しながら…ね!』
〈うん!内緒にしてごめんねパパ。でも…ね!沙織ちゃん?〉
『うん。みっくんに全部知ってもらいたいし見てもらいたいから、今日はユウセイ連れてきたの。』
「ユウセイ君は…了解して来てるって言ってたよね?抵抗ないのかな?母親とするのを見られたり、父親と娘が関係持ってる私らには…」
《はい。大丈夫です!…と言うより、僕も興味があったので》
「今日ってのはいつ聞いたの?」
《今日の夜お邪魔するからって、母から昼間に連絡がありました》
「おぉ…。昼間にね。私と娘の事はいつ聞いたのかな?」
《先週母がこちらに来た日ですね。母が帰って来てから聞きました》
「どう思った?」
《驚いたんですけど、ちょっと嬉しかったです。親子で仲良くしている人が他にもいるんだと思って》
彼女の息子はソファに座っていても背もたれには寄り掛からず、浅く座って背筋を伸ばしたまま受け答えしていた。
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