何か企んでるとは思ったが、2人の計画は予想外だった。
娘に聞いても秘密だからの一点張り、夕飯を作ろうとすればダメだと言われ、風呂からあがってビールを飲んで待っているくらいしかなかった。
19時を回った頃、娘のスマホに彼女からあと10分くらいで到着すると連絡があった。
ピンポーン…
インターホンの画面には彼女と…もうひとり誰かが映っていた。
玄関に立ち娘がドアを開けると、彼女と…彼女の後ろには初めて見たがすぐにそれが彼女の息子だと気がついた。
〈あがってあがって~!〉
『またおじゃましま~す!あ!みっくん、私の息子ね!』
《こんばんは。はじめましてユウセイと言います。いつも母がお世話になっています》
あまりにきっちりとした挨拶をされて私も戸惑ってしまった。
「あ…あぁ、はじめまして…えーと…中へどうぞ?」
〈ヒヒヒッ!パパなんかへ~ん!〉
『アハハ!びっくりしてるからしょうがないでしょ~!あ、これ一緒に食べよ!』
彼女は息子が持っていた袋を私に差し出すと、娘に手を引かれて奥へ入っていった。
残された息子にもあがって奥へ行くように勧めると、私に対して礼儀正しくお辞儀をしてリビングへと入っていった。
彼女から受け取った寿司と取り皿を持っていると、サッと息子が手伝いに来て慣れた感じでそれをテーブルに並べていた。
準備が済んで私と娘、彼女と彼女の息子で別れて座った。
『じゃあみっくん!乾杯しよ?私もビールもらうね!』
「あ…あぁ…。」
〈じゃあかんぱ~い!〉
娘と彼女がグラスを合わせ、私は彼女の息子にグラスを向けられて戸惑いながらそれに応えた。
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