・・・・・・・・・・
その言葉が耳に飛び込むや、健次は指の動きを止めた。
一瞬にして心を襲う悲しさと絶望感に体はこわばり、やるせなさに目にはじわっと涙が浮き上がった。
愛美もその雰囲気を気取るとハッとして硬直した後に、
あ、そ、それは違うの、、
と、言い繕おうとしたその刹那、
ガチャッ!!
不意に部屋の扉が開いたかと思うと、
小百合は持っていた手提げカバンを放り投げ、鬼のような形相で部屋に割り入ってきた。
そして、ベッドの上に飛び乗ると、愛美に馬乗りになって、激情に任せて愛美の喉元を押さえつけて叫んだ。
ふざけないで!
あたしの健次をおもちゃにしないで!!
このふしだらな泥棒猫がっっ!!!
(つづく)
※元投稿はこちら >>