結局、母は自分のお金で子供をおろした。あと、10年近く働いた職場をやめた。その当時はバブルが終わり5.6年が経っていて、日本の先行きがまったく見えない時代だった。母の手取りは20万いくかいかないか、それが明日からまったく入ってこなくなったのだ。
さらに、悲劇が続いた。母の父、僕からしたらお爺ちゃん。が死んだ。母と熊本へ飛び、お爺ちゃんの亡骸に逢いに行った。母には、弟がいるが、お爺ちゃんが若い頃離婚して母のお母さんについて行っていたので、お爺ちゃんには、母しかいなかった。母が僕を産んだ時に、東京に来て一緒に暮らし、僕の面倒をみてくれた。そう母が言っていた。その夜は、母と二人でお爺ちゃんの隣で寝た。母は、甘えるようにお爺ちゃんの身体をさすり泣いていた。
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