愛美は部屋を飛び出し、シャワーを浴びていました。父に汚された身体、それ以上に身体のあちこちについた父の口臭を早く流してしまいたかったのです。
それはタバコの臭い。愛美には、どうしてもあの臭いには馴染めませんでした。
脱衣室へと移ると、バスタオルで身体を拭きながら、やはりさっきまで行われていた父との情事を思い出してしまいます。
『愛美、我慢してくれのぉ~!…、お父さん、もう終わるからのぉ~!…、』と言って、果てようとする父。
彼女の華奢な肩を強く掴みながら、父親は腰を振っていました。その顔を、彼女はチラッと見てしまいます。
父の顔は鬼のように赤く、異常者と思えるほどにおぞましい顔をしていました。それが怖くなり、彼女は目を背けたのです。
自分を犯す父が怖かったのではありません。娘として、決して見たくはない父の顔がそこにはあったからです。
果てた父は、『あぁ~。愛美、ありがとのぉ~?お父さん、これで元気が出るわぁ~。』と彼女に声を掛けます。
そして、『これのぉ~?』と言って見せたのは、外したコンドーム。『ちゃんと付けて、この中に出したよ。』と言うことを、アピールしているのです。
彼女は、『うん。』と理解したような返事を父にしますが、気持ちは複雑でした。『いつまで…。』と、今日も父の相手をしてしまったことを悩むのでした。
部屋に戻ると、彼女は扉のカギを掛けます。『カギを掛ける=今日はしない。』と、いつからか二人の間で認識をされていたからです。
そこを無理やり開けようなどと父がしないことを、彼女も分かっているからでした。なので、そこでようやく彼女は、彼女に戻れるのです。
愛美はベッドへと潜り込み、布団にくるまりながら眠ることにします。すぐに雫が流れ、いつの間にか目に涙が溜まっていることに気がつきます。
そして、こう思うのです。
『お兄ちゃん…、私、どうしよ…。』
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