レトロな通りを抜け、急な坂を登ったところに旅館へ繋がる細い道があった。
綺麗に手入れされた少し狭い駐車場に車を停めると、半纏姿のおじさんがニコニコしながら近づいてきた。
丁寧に私たちに挨拶をして台車に荷物を乗せると、旅館の入り口まで案内してくれた。
昭和な感じのエントランスを抜けると右側にカウンターがあり、奥には海が見えるテラスが広がっていた。
シゲさんがチェックインをしている間、みんなでテラスで海を眺めていると娘がみんなを呼んだ。
〈ね!ね!ね!お風呂が見えるよ~!〉
テラスの柵の下には大きな露天風呂が見えた。
『まる見え~!すごいねここ!』
〔私…恥ずかしいな…〕
▽ナナも…△
{ハハハ、みんなで入れば大丈夫だろ!さ、部屋に行こうか}
チェックインを済ませたシゲさんが、ベッコウのホルダーが付いた古めかしい鍵を持ってみんなを呼びに来た。
仲居さんについて行くと、客室は階下にあるようで、階段を下りて行った。
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