『山下はいつからこんなにおばさんになったのだろう~?』、彼女に口づけをしながら、私はそんなことを考えていました。
肌に元気もなくなり、口づけをしている顔にもおばさんを感じさせます。私が20代の頃に思っていた『おばさん。』、山下はまさにそんな顔になっていました。
逆を言えば、私はいつまで子供なのでしょうか?今でも気持ちは20代と変わらず、年齢こそ知っていますが、年を重ねているなんて自覚がないのです。
『山下ぁ~。』と言って唇を重ねると、彼女は目を細め、悩ましい顔を作ります。それは、きっと彼女が培ってきた度量。男を歓ばせる術なのです。
私は、小さな彼女に負担を掛けないように、床に肘を着きます。そうやって、彼女とのキスを楽しむのです。
彼女が顔を避けました。私の唇は彼女の首筋へと回り、『山下ぁ~、好きだよ…。』とそこへ口づけをします。
それには、『アァ…、』と彼女が答えました。普段よりも、かなりかすれたハスキーボイスでした。愛撫される彼女は、こんな声で泣くのです。
私は彼女のおでこに手をあて、横を向いた顔をまたこちらに向けさせます。そして唇を奪うと、自然と彼女の手が私の身体へと回るのです。
私の舌が彼女の口の中へと入り、その舌を捕らえました。しかし、彼女はすぐにそれを嫌がり、自分から外へ舌を出して来るのです。
二人の舌が絡み合います。『ウグッ……、ウグッ…、』と声でない声をあげながら、必死でお互いの舌を擦りつけ合うのです。
私は『山下ぁ~…、山下ぁ~…、』と自然に彼女を呼び、彼女も『タック~…、好き~…、好き~…、』と言葉を発しています。
長いキスが終わると、口をベタつかせた二人が顔を見合って笑うのです。『タック~…、本当に好き…、』、そう言ってくれた彼女。
その口の横から、僅かに唾液が流れているのを見つけました。そして、それをすくうように、またキスを始めてしまうのでした。
彼女が僕を見詰めています。小学校のアルバムを見れば分かりますが、正直美人ではありません。
あの頃の彼女なら、きっとキスをしている自分に『こんなヤツとよくもまあ…。』と呆れるでしょう。しかし、40年という月日は彼女を『女』へと変えました。
『もっとキスさせろよ~。舌をもっと絡ませろよ~。』と男を興奮させることが出来る女になっていたのです。
彼女が抱きついて来ました。私の胸に顔を埋め、少し震えながら『アァ…、アァ…、』と声を発しています。山下の身体も、私を欲し始めたようです。
私は彼女の頭に手をあて、更に私の胸へと押し付けます。押し付けられた彼女は『もぉ~……、』と言いますが、今度はその短い足を私に絡めようとするのです。
しばらく、好きにさせてみました。『ウゥ~ン…、ウゥ~…。』と言いながら、手と足で私の身体を掻こうとしています。
山下も、もう自分の身体をどうしたいのかが分かっていないようです。それは私も同じこと。大きな身体で彼女を抱え込んだまま停まってしまっています。
よく分からないけど、その状態で暴れている彼女を感じようとしているのです。ただ、間違いなく分かるのは、『こいつが好き…。』ということだけでした。
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