時間になり、街頭の灯りを頼りにシゲさんの家に向かった。
ビビりな娘は私の腕にしがみつき、トモコはコウに学校の課題は終わったのかと、母親っぽい事を言いながら歩いていた。
家の前に着くと、二人が外で待っていてくれた。
リビングへ通されると、テーブルにはフルーツやらケーキやらどれも高そうなデザートが並んでいた。
〔コウくん、マホちゃん、パパとママ借りてる間、ここで待っていてくれるかな?〕
{テレビでもDVDでもパソコンでも何でも自由にしていいから、のんびりしていてな}
「ほ~い」〈わかった~〉
二人がソファに座り、デザートに手をのばしているのを確認すると、シゲさんは私たちに後についてくる様にジェスチャーした。
シゲさんの後に続き階段をあがり、いくつかのドアを過ぎて一番奥の部屋の前で立ち止まると、私にドアを開けるように言ってきた。
ノブを下げドアを開けると……
広い部屋の真ん中に、キングサイズのベッドがひとつ。それ以外にはテーブルひとつもない、本当に何もなかった。
{この部屋はな、シアタールームとして作ったんだけどな…忙しくて映画観てるヒマもなくて。}
{まぁ映画鑑賞よりも弥生と遊んでる方が楽しいってのが本音だが。防音もバッチリだぞ!}
シアタールームからプレイルームにして二人で楽しんでいたらしい。
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