私は封筒を手に取り、隣のトモコに渡した。
『えっ??』
トモコは受け取るの?という顔で見ていたが、私にも考えがあった。
【シゲさん、弥生さんを抱く事はわかりました。…ただし条件があります。】
{あぁ!なんでも言ってくれ!}
【弥生さんを抱く時には、必ずシゲさんも傍にいてください。それと、トモコも一緒にいさせてください。】
{あぁ!わかった!他には?}
【シゲさんと弥生さんの秘密を教えてもらったので、今度はこちらの事も話します。】
トモコに預けた封筒を再びテーブルの上に置き、トモコに子供たちを呼びに行かせた。
【シゲさん、弥生さん。驚くと思いますが、私たちの家族の秘密を話しますね】
並んで座る二人は、いったい何だろうと言う顔で私を見ていた。
トモコが子供たちを連れて来て私の横に立たせた。
【シゲさん、私たち四人、家族でセックスしているんです。】
瞬間、シゲさんは口をあんぐりと開け、弥生さんは両手で口を覆った。
【私達家族は家族としてはおかしな関係です。狂っていると言えば、そうです。
そんな私達家族と、付き合っていけますか?それでも弥生さんを私にお願いしようと思いますか?】
まっすぐに見ながら言うと、二人とも動揺を隠せない様子でいた。
『シゲさん、弥生さん、いきなりごめんなさい。ビックリですよね?』
{あ…あぁ……。トモコさん、本当に…}
『ハイ!本当です!ね、コウ、マホ!』
「うん、本当」
〈うん〉
子供たちは、さも当然の様に答え、トモコは微笑んでいた。
{……いや、驚いた…。他の男に弥生を抱かせようとしていた私もおかしいと思っていたが…更に上がいた…}
【ハハハ、そうですね。それで、どうですか?】
{弥生、どうだ?}
〔はい、こちらから非常識なお願いに来ているのに、若さんたちの事情をどうこうは言えないですよね。それよりも…私は若さんに抱かれると決めてきました。今さらこの気持ちを抑える事は出来ません。〕
{そうか。わかった。…若さん、あらためて…お願いしたい}
【わかりました。じゃこれは我が家の事の口止めとして…】
テーブルの封筒をシゲさんの前へ送るが、いやいや、いえいえ、のやり取りが繰り返されたが、お金を絡めるならこの話無しにしますよ?とのトモコの一言で、シゲさんは封筒をポケットに収めてくれた。
『フフフ、弥生さんよかったですね!』
〔トモコさんのおかげね!〕
『じゃあさっそく抱かれちゃいます~?フフフ~』
〔えぇ、もうずっとドキドキしてて…〕
【え??今から??日を改めてじゃなく?】
『うん、そなの。相談してる時から、パパなら絶対引き受けてくれるよって言ってたからね!だから今日でも大丈夫って!』
【…トモコ……】
{若さん、頼むよ。もう妊娠の心配もないし、病気も毎年チェックしてるから大丈夫}
【病気って性病とかですか?】
{そう。いつかこんな日が来るかと思って、相手に迷惑かけない為に毎年チェックしていたんだ}
【そうなんですか…】
{まぁ私らは一棒一穴でずっと来たから心配ないと言えばないんだが、念のためにな}
さっきまでの緊張した顔は消えいつものシゲさんに戻り、穏やかな顔で色々話してくれた。
{それで…若さんの家を汚すわけにはいかんから、ウチでどうだろう?}
【いいですよ、そうしますか】
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