週末の土曜日、まただった。
「智樹、急なんだけど、今日も午後からお客さんが大勢みえるのよ。だからその、また、、」
玲子が言い終わる前に智樹が返す。
『分かってるよ、夕方までまたどっか行ってくる』
「智樹、、いつもごめんね」
『気にしないで。仕事のお客さんなんでしよ? しょうがないじゃん』
玲子は智樹に1万円札を1枚渡した。
それを受け取った智樹は身支度をして家を出る。またいつものゲームセンターに行こうか、それともどこか別なところに行こうか、 そんなことをぼんやりと考えながら歩いていたら、角を曲がったところで出会い頭に人にぶつかった。
『おい、ガキ! ちゃんと前向いて歩け!』
『す、すいません』
ガラの悪そうな大人の男達だった。4人の男達は智樹を無理矢理に退かすと、袋小路の先にある彼の自宅の方へと向かって歩いていく。家には母親が、玲子がいる。嫌な予感がした。智樹は男達にバレないように離れて後をつけた。
続く
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