母の日、家族で中華を食べに行った。お母さんは、背中の空いた、ベルト付きの紺色のワンピースにキラキラしたネックレス。髪の毛も美容院に行きセットしてきている。
はい、じゃあ、毎日お母さんありがとう。とお父さんが言って花束をプレゼントして始まる。僕とお姉ちゃんは、拍手した。
お母さん。とお姉ちゃんが言った。いつもお弁当作ってくれてありがとう。
雅仁は?とお母さんが僕に笑いながら言った。
僕は、お母さんが綺麗で、目を合わせられなかった。恥ずかしくて、テーブルを見ていた。ちょっと離れたテーブルでは、オッサンたちのグループが盛り上がっていた。
料理を食べ終え、お父さんとお姉ちゃんがトイレに行ってる時のことだ、オッサンのグループの中の一人がお母さんのところに来て、僕のこと覚えてない?と言った。さゆりさん。
違います。と母は答えた。
似てるなぁ、とその人は言った。渋谷のデリヘルにいたでしょう?
僕は、今にも心臓が飛び出してきそうだけど、黙ってその人を見ていた。お父さんと、お姉ちゃんが戻ってきて、何?と聞いた時には、その人は、自分の席の方に戻っていって、わけのわからない人みたいな雰囲気でせっかくの場がしらけてしまった。て、僕たちは、店を後にした。
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