母の行方は分からないまま、中学校を卒業した。残高は10ポンド。つまり、もうお金は振り込まれなていなかった。母のカルティエの時計を売ったそのお金で航空券を買って僕は日本に帰ってきた。箱根の家に向かった。ひょっとしたら、母がいると思った。が、ぜんぜん知らない人が住んでいた。16歳にして、もう帰るところがどこにもなかった。所持金は6,7万と言ったところだ。とりあえず、スーツケースを持ったまま新宿に出た。カプセルホテルに泊まり、次の日から、仕事を探し始めた。すぐに見つかった。歌舞伎町にあるホストクラブ。
僕はそこでセイヤと言う名前で働き始めた。
※元投稿はこちら >>