何度も母に電話をしたが出ない。おじさんにもしたが呼び出し音すらならずに切れてしまう。一人で寮に戻ってきて、なぜあそで追いかけなかったのかと後悔した。そして、べッドに倒れ込んで泣いた。が、ふと、母のパスポートがまだこの部屋にあることに気がついた。机の上に母のカルティエの腕時計と一緒に置いてある。僕は笑った。お母さんだけ連れて行ったって飛行機に乗れないだろに。なんだよ、またあのロシア人がここにパスポートをとりに戻ってくるよ。そう思った。しかし、夜になっても、次の朝になっても取りに来ない。母の携帯に電話すると使われていないこと言う音声ガイダンス。僕は爪を噛み、ベッドの上に座っまましばらく動くことができなかった。母に関しての手がかりがきたのは4日後。動画が送られてきた。映像は、朝方、もしくは夕方。森の中で全裸のマスクをつけた男が、裸のままので、手と片足を木に吊るされた母の陰毛とオマンコに、メイプルシロップをぬっているところから始まっていた。母の口にはボールが入れられ、頭の後ろでむせばれ、恐怖に怯え、泣いている。塗り終わると画像が停止され、夜の映像に切り変わった。同じ場所で同じ木に吊るされたままの状態でライトがあてられている母の引きの映像。カメラが母に寄る。陰毛をアップにする。蛾やクワガタ、細かい昆虫がついている。オマンコがアップになると、カナブンみたいな昆虫やアリの大群が動き回っている。画像が停止され、霧がかかった朝の映像になると、母の身体には、ナメクジやヒルが沢山ついていた。お尻から足元にかけて、茶色い母が垂れ流したウンコのあと。そしてカメラをとってる男のジーンズと足元が最後にチラッと映って終わりになる。もう一度見た。
どこだろ、箱根じゃない。どこかの外国の森。イギリスだろうか?クワガタはヨーロッパに生息しているクワガタに見える。が陰毛と同色でよくわからない。こんな動画送られてきて平常心でいられない。母を探さないといけないんじゃないだろうか?それともこれはただの儀式?遊びだろうか?日本に帰るべきじゃないだろうか?でも母のパスポートはどうすればいい?僕は声にならない声を上げた。もーあーあー!
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