紆余曲折を経ながらもやっとの思いで互いの心を曝け出す事が出来た当の二人は、相手を見つめ合いながら唇を重ねてその存在を実感して安堵する。
そしてそのままの体勢でソファーに深く沈み込み、それぞれの体温を交換しながらいつまでも続く抱擁の時を楽しんでいた。
英樹「ああ~・・やわらか~い・・」
「・・それに~・・いいにおい~・・」
「のうみそが~とけちゃいそ~・・・」
彼のあや評はいつも”やわらか~い“と”いいにおい~“の二つきりである。
英樹(べっ別にお母さんの身体がカチコチって訳じゃないんだけどね)
(言い訳)
あや「ひできのからだってあったか~い」
「まもられてる~ってかんじがする~」
あやは彼の胸と腕の中に包まれる事が大好きである。
そんな彼女が彼に抱かれてまどろんで居ると、テーブルに置いた自身のスマホにいきなりメールが送られて来る。
あや「・・メール?・・・もしかして?・・」
「・・・・・!」
「・・ひょっとしたら?・・」
彼女は彼に抱かれたまま、思いっきり手を伸ばしてスマホを握り、急いでメールの確認をする。
あや「やっぱり!!」
「思った通りだ!!・・」
英樹「なに?・・どうしたの?」
あや「ほらっ! 英樹・・これを見て!」
英樹「お、お母さん?!! なんで今頃に?!!」
あや「姉さん・・私たちが心配でチェックを
入れに来たのよ・・きっと!(確信)」
英樹「心配?・・なんで?」
あや「え~と? じゃあ読むわね!」
英樹「うん!」
あや「なになに?・・”あや?相変わらずあんた達って
抱き締め合うだけであったか~いとかぬるい事いってんじゃ
ないでしょうね?“・・だって!」
事実を指摘されて仕舞った彼女は顔を真っ赤にしている。
英樹「はああ~?」
あや「それに・・”どーせ英樹のヤツもあやって柔らか~いとか
言ってイチャイチャするだけに決まってるしぃ“・・って事
らしいよ?」
彼は部屋の何処かに盗撮カメラが仕込んであるのか?と思い、きょろきょろと辺りを見渡している。
あや「え~と?それから・・”英樹に言っといて! 女は
押し倒した後、思いっきり襲っちゃう位な方が感じる
のよ~!って伝えといて!“・・だそうです!」
英樹「い、意味分かんね~?」
そんなレイコの”愛の軽いイタズラ“が入って二人は一頻り盛り上がる。
英樹「お母さんったら・・一体何を考えてるんだか?
こんな感じでたま~にふざけた事をするよね?」
あや「ああ~・・そう云えば姉さんって
そう云うとこが有るかもね!」
「決して悪気は無いんだろうけど!(笑)」
レイコのメールのお蔭で気持ちがリラックス出来た二人は、急な角度でそれぞれの性欲を高めて行く。
英樹(あや・・本当に可愛い!
とても10歳近く年が離れてるとは思えないよ!)
あや(英樹の笑い顔ってなんだか優しい顔で・・
すごく癒されるなあ~!)
英樹(あやって何ていう香水を使ってるんだろう?
凄く良い匂いで・・いやらしくて・・
たぶん、香水だけの香りじゃない・・
あやの・・あやの香り、匂い・・)
彼女の柔らかで、それでいてダイレクトに感じる妖艶な香りに、彼の脳は少しずつしかも確実に深く麻痺して行く。
英樹「ねえあや?」
あや「ん?・・なあに? 英樹?」
英樹「あやって・・ゆっくりと優しくされる方がいいの?
それともお母さんの云う通り、いきなり襲われる方が・・」
あや「・・わたし?・・う~ん?そうだなあ?
わたしは・・わたしはどっちかっていうと・・
そ~ね~・・わたし、はっ??? ええっ?!!
えっ?えっ? きゃあああ~~???!!」
彼は盛りの付いたオスの様にいきなりあやに襲い掛かって行く。
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