英樹「ただいま~?・・」
「・・お母さん? 居る~?・・」
あや「おじゃましま~す?!」
「あの~・・あのぅ、誰かいませんか~?」
二人は静まり返った家の中を、戦々恐々としてそろそろと歩き出す。
すると居間のソファーに脱力しながら黙って座って居る母親を発見して仕舞う。
英樹「どわっ?!! なな? なに?!!
どうしちゃったの? お母さん?・・・」
あや「姉さん?・・あの、具合でも悪いんですか?・・」
二人は呆然として座って居るレイコを見つけて、ゆっくりと恐る恐る近付いて行く。
レイコ「・・ああ?・・あや?・・それと・・
それと英樹も?・・どうしたの?・・」
英樹「どうしたのって?・・お母さんこそ!
・・どうしちゃったの? 明かりも点けないで?・・」
レイコ「・・わたし?・・私は・・」
「・・・・・」
「・・私は妊娠しました・・」
英樹「・・にんしん?・・それで?・・」
「・・・・・」
「?????」
「妊娠んんっ?!!」
あや「はああ?!! ね、姉さん?・・妊娠って?・・」
余りにも唐突過ぎるレイコの発言に二人は酷く戸惑って仕舞う。
レイコ「私はやっと妊娠する事が出来ましたぁ~!!
パチパチ~!!(拍手そしていきなり歓喜)」
英樹・あや「にんし~んっ???!!」
英樹「お母さんっ?!! にっ、妊娠って?!! だだっ、誰の?!!」
レイコ「あんたの子に決まってんじゃん!」
英樹「ぼくのぉ~???!! 僕の子ぉ~???」
レイコ「なに? そんなに驚かなくてもいいじゃない?」
「お薬止めてから私の中に射精したのは
あんただけなんだから~・・あたりまえでしょ?」
英樹「あた? あた?あた?あたりまえ~???」
あや「姉さん? もうお医者さんには
行って来たんですか? それともまだ?」
レイコ「うふんっ!(うっとり)」
「もう5週目だって~!!」
「おめでたですねって言われちゃった~!!」
英樹「・・おめでた?・・ごしゅうめ?・・」
レイコが”ミストラル“を借り切った時に彼が仕込んだ赤ちゃんであった。
あや「英樹っ!! やったじゃん!!」
「どう? パパになった感想は?」
英樹「・・かんそう?・・」
「?かかっ? 感想って?!!」
「まだ産まれて来た訳でもないのに?!!」
あや「あっ! そうだった!(笑) ごめんっ!(平謝り)」
あやは平身低頭、両手を併せて彼に詫びを入れている。
レイコ「え~・・私の妊娠判明に併せて重大発表が有りま~す!」
英樹・あや「重大発表ぉ~?!!」
レイコ「そうよっ! あんたたちにも関係が有る話だからね!」
レイコは勝手に皆の行く末を決めていた。
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