英樹「え~と?・・確かにこの店だったと思うんだけど・・」
彼は大学からの帰り道で待ち合わせをしている。
「英樹! ここよ!」
すると店の奥から手を振る女性が居た。
英樹「あ! いたいた!」
彼は聞き覚えの有る女性の声を頼りに、その方向へと向かう。
ここは彼の住むマンションから程近い、駅前のカフェであった。
英樹「ごめん、あや! ちょっと待たせちゃった?」
あや「もう! 遅くなるならメールでもいいから
連絡してくれればいいのに!」
二人はレイコの強い忠告も有って、既にお互いの名を呼び捨てる仲になっていた。
そんなあやは相当な時間を待ち惚けに費やしていたらしい。
英樹「ホント、ごめんなさい!!」
「帰り際に面倒な奴から呼び止められちゃって!」
「またそいつの話が無駄に長くってさあ・・」
あや「ふ~ん? それって男の子?
それとも・・女の子、かな?(疑惑の目)」
英樹「ちちちっ?!! 違うって!!」
「そいつは同じサークル(鉄道研究会)の奴で
今度、廃線になるローカル線があるから乗りに行かないか・・」
あや「はいせん? ろーかる?」
「なにそれ?」
「まっ、いいや! それじゃ、行きましょ!」
英樹「はあぁぁ~?・・ホントに信じて貰えたのかなぁ?」
二人は早々に店を出ると、連れ立って歩き始める。
英樹「そう云えばお母さんの話って・・
あやは何か聞いてるの? その話の内容?・・」
あや「さあ?・・私は何も知らないけど?」
「大体、息子の英樹が知らない事を
私が知ってる筈が無いじゃない? でしょ?」
英樹「そりゃそうなんだけど・・
今朝のお母さん・・なんだか妙にテンションが低くてさあ・・」
「この呼び出しもメールからだったしねえ?」
彼と彼女は頭の中に?マークをいっぱい溜め込みながらレイコの待つ家へと向かっている。
そしてそんなレイコは二人の帰りを手ぐすねを引いて待ち侘びていた。
レイコ「あの子たち!! なにやってんのかしら?」
「えっ?!! もうこんな時刻なの?」
「ふふふっ!(不敵な笑み)」
「あんたたち?!! びっくりするわよ~!」
「見てらっしゃ~い!」
レイコは一人、何かを企てている様である。
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