母子の愛を成就させる為にアシストをする筈であったあやは、今になって自らの心の奥に存在していた彼に対する溢れる様な想いに気付いて仕舞った。
そんなあやはまるでバージンに戻って仕舞ったかの様に、乙女な姿を周囲に晒して仕舞っている。
あや(・・英樹クン?・・本当にごめんね!・・)
(いきなりこんな事を云われたら
誰だって混乱するよね?・・本当にごめんなさい!!)
彼は己の上に乗り掛かって困惑する憧れの女性を見上げながら、自らも混乱の極致から脱出出来ずにいる。
英樹(・・あやさん?・・なんで?なんで?・・
なんで僕なの?・・僕にはお母さんって人がいるのに?・・)
(僕は・・・僕は母親と結ばれて仕舞う様な・・
そんな変な、常識外れな人間なのに???・・)
彼の心には母親と性行為に及ぶと云う大きな罪が背負わされていた。
そんな彼に対して、その罪を知った上で求愛するなどと云う彼女の行為は、当の彼には理解し難い行いであったのだ。
混乱の極致で彷徨う彼は、直接彼女へと問い掛けるしか方法が無かった。
英樹「・・あやさん?・・なんで僕なの?・・」
「・・僕はここに居る母親とSEXをする様な男で・・
それから・・子供・・赤ちゃん迄作ろうとおもって・・」
彼がそこまで言い掛けるとあやは黙っていた口をとっさに開いて行く。
あや「それ以上!!・・・それ以上言わないで!」
「・・英樹・くん!・・」
「分かってる!・・分かってるから・・」
「・・それに・・それに私だって他人には言えない事の
一つや二つは経験しちゃってるし・・・」
レイコ「・・あや?・・あんたって?・・」
レイコ自身も心の片隅で不思議に思っていた彼女の複雑な心理を理解したかった。
レイコ「・・あんた、過去になんかあった?・・」
「あ、いや・・別に言いたく無ければ・・」
レイコが喋る言葉を遮る様に、彼女は自らの黒い経験をカミングアウトして行く。
あや「わたし・・私ね!・・小っちゃい頃に
お父さんに色々と身体を調べられちゃったの・・」
レイコ「・・あや?・・」
英樹「あやさん!!?」
あや「それで・・それでね!・・
その時にね、お父さんが変なおもちゃを取り出して・・」
彼女はそこ迄言い掛けると、止まっていた涙を再びこぼし始める。
あや「わたしの・・私の初めてってね・・
その変なおもちゃだったのよ?・・笑っちゃうでしょ?(苦笑)」
レイコ「・・あや?・・あや!! もういいから、ね?!!」
あや「わたしはいたいいたいってさけんだの?」
英樹「あやさん!! 分かった!! 分かったから!!」
あや「すごく・・すごくいたかったの!?」
レイコ「英樹!!」
レイコは彼の目を真っ直ぐに見て、彼女へと目配せをする。
あや「でも、でもねやめてくれなかっ・・んんっ?
・・ふっんんっ?・・・ぅんん~~・・・」
彼女が涙ながらに訴えている震える口を、英樹がとっさに起き上がってその唇で塞いでしまう。
そして彼女が身動きの出来ない程に、キツくキツく抱き締めて行く。
レイコ「英樹ったら!!・・今日だけは
無条件に褒めてあげるわ!!」
「まっ! ”今日だけ“だけれどね!!」
レイコは血の繋がらない家族が一人増えた事を実感していた。
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