禁断 LOVERS ー出会ってはいけない2人ー 22
今夜は俺とユキさん…いや母さんとのシフトの日
ひと通りのお客様の波も引けたある時間…
ピンポーン!店内に来店客を知らせるチャイムの音
「いらっしゃいませ~」
明るく挨拶をする母さんの前に男性が1人立つ
「すいません…これ下さい…」
「は、はい…缶コーヒーのブラックですね…
相変わらずこの缶コーヒー飲んでるんですね」
「は、はい…すいません…」
「缶コーヒーばかりだと体壊しちゃいますよ…
気をつけて下さいね…」
「は、はい…すいません…」
レジを挟んで親父とユキさんは泣いていた。
2人ともボロボロと涙をこぼして…
ずっと…ずっと…この空白の時間を
埋めるように…
後日…俺とユキさんはコハルさんの家を訪れ
俺たちが親子だった説明をした。そして俺の
高校卒業後は2人で一緒に暮らす事を報告した。
コハルさんは
「じゃあ、私とユウキ君は従兄弟?」
と信じられないという顔で俺を見て笑った。
それこそキスした事は2人だけの秘密だ
……あれから数年
俺とユキさんは住んでいた街を離れて
俺の仕事の関係で実家から車で
2時間くらいの海沿いの街で
2人暮らしていた。
社会人としても少しづつ安定してきた頃
サヤさんも交えて4人で会う機会を設けた。
それはサヤさんの要望でもあった。ひとつの
テーブルに元妻と現妻と息子…最初は
ギクシャクしてたけど最後の方は
これからも節目や記念日なんかには
皆んなで逢おうと話し合った。
でも俺とユキさんの関係は
死んでも親父とサヤさんに
言えないと思っている。
親子になっても2人の肉体関係は
今も続いている
むしろ昔よりも強く愛し合う関係で…
今はこんな形であれお袋と…
いやユキさんと出会えて良かったと
心の底から思っている。
そしてもう母さんを…ユキさんを
二度と離さないと
心に強く誓った。
完
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