禁断 LOVERS ー出会ってはいけない2人ー 12
翌日のバイトでコハルさんの顔をまともに
見れなかった。(決してコハルさんは悪くないのに)
コハルさんに接してるとドギマギして動きも
ぎこちなくなる。何度も大丈夫と声を掛けてくれて
俺の顔を覗き込むがまたそれが俺の心臓をバクバク
させる。予想通り残りの数日間もまともに話せず
今回の5日間は過ぎた。その後のパートナーは
キタムラさん(33)男性のオタクっぽい人
シライシさん(40)女性の大人って感じの方
二人とはコハルさんの時より余り話すことは
なかった。キタムラさんはアイドルオタクのようで
その話になった時はお客さんが居ようが居まいが
止まること無く話し続けて大変だった。
そして2回目のコハルさんとのコンビの日…
あれから日数が経っていたので
特に緊張する事なく一緒にバイトが出来た。
夜も一段落したある日
「ねぇ、ねぇユウキ君って彼女とか居るの?」
「い、いえ…僕は居ませんが…コハルさんは勿論
彼氏さんは居るんですよね…?」
質問を質問で返してしまった…
「最近まで居たんだけど別れちゃって…」
「ごめんなさい…失礼なこと聞いて!!」
「いいの、いいのユウキ君が謝ることじゃないし…」
その横顔がなんだか寂しそうだった。
「ねぇ、ところでユキ叔母さんとはもう一緒に
働いたの?」
「ユキおばさん…??」
「あ、ごめんなさい、えーと…えーとね
シライシさんの事よ、シライシさん」
「あ~あ…こないだ一緒でした。」
「あの人ね私の叔母さんでユキさんって言うのよ
シライシ ユキさんね」
「そうだ今度ね私の家でユキ叔母さんも誘って
ご飯でも食べない?両親も居るけど…嫌かな?」
「全然!全然!是非、是非お邪魔します!」
(こんな事マサオさんが知ったらどんな風な
顔するんだろう?)なんだか1人勝ち誇っていた。
それから数日後…2人のバイトが休みの夕方に
コハルさんの家にお邪魔した。案の定
お母さんはともかくお父さんも在宅だった。
リビングにて簡単な挨拶をした。
お父さんはコハルさんが彼氏を連れて来たと
勘違いして最初は警戒していたが、
違うことがわかり態度を180度変え
フレンドリーに接してくれた。
お父さんはお酒を俺はウーロン茶を飲みながら
途中にシライシさん…ユキさんから電話が
あったみたいだが用事があって来られないようだ
ユキさんを交えてはまた今度という事で、楽しい
時間はあっという間に過ぎていった。
帰り際にお父さんがお母さんに言っていた
「あの子ならコハルの彼氏にいいな…」とボソッと
言ったひと言はハッキリと俺の耳に届いていた。
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