朝食を終え、コーヒー片手にソファーでまったり。
(今日は何しよ)
情報番組を見ていると、一本の映画の紹介。
一緒に観ていた美奈ちゃんが
「これ観てみたい」
と言う。
調べれば、少し離れた場所でやっている。
「観に行く?」
「うん…でも、これって恋愛ものだよ?」
「そ、そうだね…」
「ま、何でもいいや!出掛けよ?」
かなりノリノリだ。
鼻歌混じりで自室へ向かう美奈ちゃん。
(それじゃ俺も着替えるか)
申し合わせた訳ではないが、二人ともがスーツスタイル。
俺は黒の細身のスーツに白のカッターシャツ。
美奈ちゃんも黒のスーツ。
「仕事してる時のやつだけど…どうかな?」
「うん。格好いいじゃん」
「雅…君もイイ感じ」
(ん?雅君?)
髪をきちんとセットして化粧をすると、【出来る女】といった雰囲気を醸し出す。
自分の回りには派手な女はいるが、大人の女という感じではない。
デートの経験が無いわけではないが、何時もと違う雰囲気と服装に多少ぎこちなくなる。
(こんなんなら普段着で良かったな…)
そんな俺の気持ちも知らず、上機嫌の美奈ちゃん。
久々の外出に笑みがこぼれっぱなし。
「車で行く?」
「折角だし、電車で」
住宅街を抜け駅へ到着。
と、美奈ちゃんは大きく息を吐く。
「どうした?」
「なんか緊張しちゃって…知ってる人に会ったらどうしようって…」
「何だ、そんな事?」
「そんな事って…」
「別にイイじゃん。俺達は家族なんだし」
美奈ちゃんも、そうは思っていても別の感情があったようだ。
切符を買い、改札を抜ける時に声が掛かる。
『あっ!奥さん!』
ビクッ!
引きつりながらも作り笑いで振り返る。
『これ!落としましたよ』
親切なご婦人が、美奈ちゃんの落としたハンカチを拾ってくれた様だ。
見た事ない顔で安心したのか、普通の笑顔に戻る。
「有り難う御座います」
ハンカチを受け取り頭を下げる。
「はぁ~ビックリした~心臓止まるかと思った」
「大袈裟だな~そんなビクつく事ないって」
「そうかも知れないけど…」
「大丈夫。電車に乗っちまえばこっちのもんだよ」
電車に揺られる事30分。
S駅に着く。
平日の昼間なのに人が溢れ返っている。
映画館への道すがら、俺達と同じ様な【訳あり】の感じのカップル数組とすれ違う。
羨ましそうに目をやる美奈ちゃん。
「脚、疲れてないか?」
そっと手を差し伸べる。
「うん…ちょっと…久しぶりのヒールだから…」
「高過ぎなんじゃない?」
「かな~?7cmが苦痛になるとは…」
「脚が綺麗に見えるベストの高さだね」
「えっ?うそ!知ってるの?」
「一応ね」
何故かそんな知識が頭に入っていた。
「まだ時間あるし、そこで休むか」
視線の先には一軒の喫茶店。
そこで暫し休む事に。
小一時間程休憩し
「少し早いけど行くか。大丈夫?」
「うん。ありがとう」
「じゃあ出よ」
映画館に着くと、やはり平日の昼間。
人はまばら。
ゆっくり映画鑑賞するには丁度良い。
このデートの切っ掛けになった映画は、時間が合わず今回は見送り。
それじゃ、と決めた映画は、あまり人気がないのか、中に入ると空席だらけ。
適当に座り開始を待つ。
開演時間となっても、かなり空席が目立つ。
俺達の座る席の前後一列が綺麗に空席。
当然この一列も俺達だけ。
暫し観ていても、あまり面白くない。
下調べ無しに来ていたので、ハズレを引いても致し方無い。
ただボンヤリスクリーンを眺めていると、突然肩に重さを感じる。
そっと顔を向けると、美奈ちゃんがスースーと寝息をたてている。
(ありゃ?寝ちまったか)
美奈ちゃんを起こさない様にゆっくり上着を脱ぎ、そっと掛ける。
どれくらい経った頃だろう。
隣から「あっ…」と小さな声がした。
体を起こし「寝ちゃった…」と囁く。
二人で顔を見合わせてクスクス笑う。
と、アメリカ映画でありがちな、唐突で激しいベッドシーン。
それを食い入る様に観ている美奈ちゃん。
ジャケットの下でモゾモゾ動いている。
そのシーンも終わり、"やっぱりな!"的なエンディング。
楽しめたが内容は残らない。
館内が明るくなり、他の客が出口に向かう。
俺達も出ようと促すが、立とうとしない。
「ほら、みんな出たから俺達も出よう」
「うん」
館内をキョロキョロ見渡す美奈ちゃん。
「ちょっと…トイレ…」
小走りでトイレへと向かう。
すぐに戻って来たが、何故か顔が紅潮している。
「どした?顔赤いぞ?」
「笑わない?」
「は?何言ってんの?」
「だから、笑わない?」
「あぁ分かった。笑わない」
「実はね……」
耳打ちする美奈ちゃん。
笑いを堪える俺。
「もぉ!笑わないって言ったのに~」
と、更に顔を赤く染める。
"ピロロロ""ピロロロ"
美奈ちゃんの携帯に着信が入る。
「もしもし。あっ、義彦さん。はい、今映画を観に来ていて。いえ…雅…彦さんに付いてきてもらって。ええ、折角のお休みなのに無理言って。今晩もですか?はい、分かりました。あまり無理しないでね」
(親父か…これは今日も帰れないって電話だな)
「親父から?」
「うん。今日も帰れないって…」
「そっか~。それじゃ旨いもんでも食いに行くか!」
「うん!行こー!」
親父の様に、高級店へは連れて行く余裕がない。
その代わり、安くて旨い店を案介する。
「こういう所、親父とは来ないでしょ?」
「うん。初めて」
かなり狭い居酒屋。カウンターに、二人掛けのテーブルが二席。
『お二人様ですか?』と、女将。
奥のテーブル席に案内される。
『先ずは飲み物…』と注文を取る。
ビールで乾杯し、他愛の無い会話を楽しんでいた。
が、そんな事より、あの耳打ちが気になって仕方がない。
(あんな事を俺に言うなんて…)
と、突然
『おっ!奥さんイイ脚してんね~』
カウンターに居た酔っ払いオヤジ。
「でしょ~」
と言う俺にヒソヒソと
「ちょっと雅君…恥ずかしいって」
「でも、本当は嬉しいんじゃない?」
「もぉ!」
「見られて喜んでんのかな?」
そのまま俯いてしまう。
(ふ~ん…ちょっと確かめてみるか)
「そろそろ帰るか」
「あっうん」
帰り支度をする美奈ちゃんの耳元で
「今アソコがどうなっているか、トイレで確認しておいで。それと、戻って来る時は、スカートのウェストを二回折りな」
コクンと頷く美奈ちゃん。
(あれは羞恥を喜ぶタイプだな)
トイレから戻った美奈ちゃんのスカートは、膝上15cm程になっていた。
(へぇー従順なんだ)
わざと酔っ払いに話し掛け、その間美奈ちゃんの脚を見てもらう。
小声で
「雅君…」
の声に、「ごちそうさま。また来ますね」
と言って店を出る。
駅に向かう道中、俺の腕に身を委ねる。
酒に酔っているのか、それとも………
駅に着くと、帰宅ラッシュの時間帯。
多くの視線に美脚を視姦される。
美奈ちゃんが、どんな反応をするか楽しみだ。
最寄り駅に到着。
すぐにでも反応を確かめたかったが、家まで我慢する事に。
が、俺の意に反して、俺の手をとり多目的トイレへ!
今まで伏せ目がちだったので気付かなかったが、美奈ちゃんの目はトロンとしていた。
(読み通りだ)
普通にトイレへ行くのなら、女子トイレへ行く筈。
なのに俺とここに居ると言う事は…
徐にスカートの裾からショーツを抜き取り、自らの目で確かめる。
クロッチ部分には、白濁した液体が付着している。
「これ…お気に入りだったのに…汚れちゃった…。雅君…責任とってね?」
美奈ちゃんが意図する事が分からなかったが、それも一瞬だけの事。
「雅君のせいで、私のマンコ…こんなになっちゃったんだから。家まで我慢出来ないから、ここでスルの見ててね」
そう言って、陰核を指で擦り、摘み刺激し始める。
俺は煙草を吹かし、それを眺める。
その一本を吸い終える前に、美奈ちゃんは絶頂を迎えた様だ。
※元投稿はこちら >>