俺はショックを受けその夏休み以降実家へ遊びに行かなくなった。その5年後由紀は結婚し3年後に旦那が他界、俺はそのどちらも行かなかった。…話しを戻す。…あの夏休みから10年振りに由紀に会った。少しだけ歳を取った感じだったがあの頃と殆ど変わらない由紀がいた。挨拶をした。「タッ君大きくなったねぇ…歳取ったの感じるわぁ」と由紀は言った。俺はすかさず「お姉ちゃん…そんなに変わってないよ?むしろ若くなったんじゃない?」と本心を言ったら「いや~もう…この子ったらぁ…お世辞も覚えちゃって~何も出ないよっ」と嬉しそうに言った。「じゃぁ由紀、竜也の事お願いねっ」「もう行くの?」「うん用事があるから」「そっか…気をつけて」と言うと母は帰って行った。「じゃぁ…タッ君二階の私が使ってた部屋使って」と言われ俺は荷物を持って行った。部屋に行きドアを開ける。あの時の思い出が甦る。あの頃の小さいガラスのテーブルと壁紙。部屋の隅に畳まれた布団があった。「自由に使ってね」と由紀は言った。
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