伯父が正気に戻るまで待つ事にしたが、床に座ったままで全く動こうとしなかった。
しびれを切らした姉が伯父の死角にいる俺の隣に座り、伯父に聞こえるように話しだした。
『ユウト、ヒマだよね?今日もチハルに薬飲ませてやっちゃうの?』
それを聞いたとたんに伯父が振り返り俺を睨んだ。
「伯父さん僕に言ったよね?お前もやれって。命令されたからやっただけだよ。」
『だよね?伯父さんに言われたからしたんだよね?』
「うん。言われたことしただけだよ。」
伯父は苦虫を噛み潰したような顔で両拳を握って震えていた。
『伯父さん、私たちこの家出て行きます。いいですよね?』
〈……………………〉
『預けてある父と母のお金、返してもらえますか?そのお金でユウトと2人で暮らします』
〈………部屋なんか……ガキが借りられるわけないだろ…〉
『伯父さんが借りるんですよ。それくらいしてくれますよね?それとも伯母に頼みましょうか?全て話をして…』
〈…く………〉
『もう今までのようにはいきませんよ。橋本さんと沢田さん、なぜ来なくなったかわかりましたよね?』
〈お前ら……〉
『立場を考えて話をしてくださいね?私たちはあなたの人生を終わらせる事が出来るんですよ?』
伯父はそこで置かれた状況を理解したらしく、その後は素直に姉の言う条件に反論もせずに頷いていた。
こんなに上手く行くとは予想外だったが、意外と小心者の伯父はすべての条件を飲むと言い残しガックリ肩を落として部屋を出て行った。
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