「ノン君起きて、もう七時よ、一度おうちに帰って着替えてね」
「美由紀ちゃん、帰りたくないよ」
「もう、お姉ちゃんに叱られるよ」
「美由紀ちゃんがいてくれればそれでいいよ」
「もう、子供みたい」美由紀は僕の髪をくしゃくしゃにした
「おっぱい吸っていい」
「しょうがないな、一回だけだよ」美由紀は馬乗りになった
「彼女の家に泊まるときは一報いれること!」みゆうからの書置きがあった
僕は着替えて学校に向かった。美由紀に会えるのが楽しみだった
「おい、もう噂になってるぞ」同じ学部の修二が話かけてきた
「文学部の美由紀のうちに泊まったのか」
「ああ、だれから聞いた」
「もうキャンパス中に広まってるよ、お前マザコンとかシスコンとかの噂あったけど、やるな~、ミスキャンパスの有力候補の家にお泊りしちゃうんだからな」修二にしては興奮気味だ
昼休み、美由紀がそばに来た。修二も同席していた
「こんにちは、ノン君のお友達?」
「僕、修二っていいます」
「よかったら今度私のお友達紹介するね」
「お願いします」修二はまんざらではないようだ
「ノン君」美由紀が腕を組んできた
「あれ、あの美人、ノンの知り合い」10メートル先に里帆さんが立っていた
「ノンちゃ~ん」里帆さんが手を振ってかけてきた。スーツ姿の里帆さんは大人の色香が漂っていた
「里帆さん、どうしたの」美由紀が僕に密着してきた
「ノンちゃん、昨夜連絡取れなかったから心配になっちゃって」
「ごめんなさい、わたしがスマホの電源切って言ったから」
「そうだったの、彼女?」
「…」
「そうですよ、お姉さんですか?」
「ちょっと違うかな、もうちょっと仲良しかも」
「わたしも仲良しなんです」
「ノンちゃん、そろそろ行くね」里帆さんは僕の頭を撫でて走り去った
「ノン君、どういう関係」美由紀は拗ねていた
「その、まあ、元カノと言いましょうか…」
「元カノと今も連絡とってるの、それに全然別れた感が無かったけど」僕らはキャンパスのカフェの片隅にいた
「なんとも複雑で」
「いいわ、もうそれ以上聞かない。でも私のこと好きかどうか聞かせて」
「好きだよ、大好きだよ」
「安心した」美由紀の笑顔は僕の心をとらえて離さなかった。
「お姉さん、聞いて聞いて~」
「何よ里帆、貴重な昼休みなのに、だいたいあんたがなかなか寝かせてくれないから眠くて」
「ふふ、ノンちゃんと彼女がいちゃついてるとこお邪魔しちゃった」
「もう、あんたったら、おもしろいわね、あとで話きかせなさいよ!」
「ラジャー!」里帆は笑顔で電話を切った
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