みなみの前で高級車が急停車した。
「あれ、美保?」車から背の高い男が出てきた。高級なスーツにサングラス、スポーツで鍛えた身体だと一瞬でわかった
「美保は母ですが」みなみは丁寧語で返した
「そうだよな、どうりで、そっくりだよ、大学時代の美保に、俺、大学時代に美保と付き合ってた光之、よろしく」男はなれなれしく握手をしてきた。
「あの、急ぎますので」
「懐かしいな~」男は突然みなみをハグした。ノン以外の男に抱きしめるのはみなみにとって初めての経験だった。めまいのような、淡い興奮状態でみなみは男の腕から逃れることができなかった。
「美保によろしく、それから何か困ったことがあったら電話して、いつでも美保の娘なら力になるよ」そう言って男は名刺を手渡し去っていった。名刺には不動産会社の専務の肩書があった
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