〈あとな、1番大事な事を今から言うけど、しっかり聞いてくれな?〉
「うん」
「明日香もいいか?」
『……ウン』
〈性別が変わるとな…性欲が通常とは比較にならないくらいにすごくなるんだ〉
「……は??」
〈ん~…つまりな…、物凄くセックスしたくて堪らなくなるんだ〉
「……………ハァ??」
〈晴人は今はまだ何ともないようだけど…明日香、どうだ?〉
『………………』
〈まぁ恥ずかしいから言えないわな。でももうそんな事も言ってられないからはっきり言うけど……性別変わった時のセックスは気持ちいいぞ?〉
「…………何言ってんの?」
『……………』
〈ハハハ…スマン。でもなそういう身体に生まれて、これから生きてくには割りきらないとダメだぞって事言いたかったんだ〉
《晴人、明日香、ちょっと変わった身体に産んじゃってごめんね》
「いやいや……ってかさ、子供にいきなりセックスがどうとか……わけわかんないんだけど…」
〈そうだな……じゃあもっと詳しく話をしようか。〉
父はオレ達の身体について父なりの推測を解りやすく説明してくれた。
曰く、性別が変わる人間は大昔から存在していて、圧倒的にマイノリティだったので存在自体世に知られていなかった。
今の時代では徐々にオープンにしている人も増え、多少認知されるようになった。
今でも雌雄同体の動物がいるが、昔は人間も絶滅しないために性別が変わる人間が生まれてきたのではないか。
昔は性別が変わる期間は長く、男が女に変わっている期間に妊娠出産もできたけど、普通の人間と交配してきた結果その期間が短くなっていって、現在では男が女になっている間に妊娠する事はない。
もし純血の人が今もいるなら男も女になっている時に妊娠するだろうけど、会ったことはない。
女は元の状態の時に妊娠すると性別は固定されて、出産後しばらくまでそのまま。
……とまぁ、そんな事を父は話していた。
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