中学校にあがる…のかぁ
一歩一歩大人になってゆくんだなぁ...
「って顔してるね」
母さんがニヤニヤしてる
入学式当日、緊張でガッチガチだわ
制服…着た
なんかむずがゆい
たぶん母さんが見てるから
「智也くん、かわゆいね。さすが我が子」
「うっさぃなぁ//」
母さんは高校の先生をしている
美人だ
けど…
「母さん着物着てこうかな」
着物、似合う
けど…
「智也くん髪ぺったんこにしたろかー」
ちょっと意地が悪い、いたずら好き
学校に着た
ガッチガチ
緊張しちゃう
クラス発表の時来たのになんか緊張する
空は雲ひとつないのに
心はなんだから曇ってる
んー、がんばろ!
よく分かんないけどがんばろ!
緊張しないようにがんばろ!
校門を通ると
目の前を通りすぎた
女の子
彼女が視界に入った途端
目が…釘付けになった
あれ…だれ?
すっごく…かわいい
花みたいにキレイ…
母さんにほっぺをつままれてようやく正気に戻って
「ロマンスも勉強も頑張るんだよ」
僕を手のひらでこれがすように…弄ぶように…笑わないでほしい///
体育館で入学式
さっきの子は新入生じゃないのかな
どこかなぁ…あの子
式が終わると保護者は帰るみたい、母さんはサムアップして帰っていった
教室に入って椅子に座る
緊張するっ!
なんか緊張するっ!
名前を呼ばれていく
みんな自己紹介をしていく
僕の番が来る…
緊張…しゅるっ!//
立ち上がり
言う!
「村田智也です!レーシングカートをやってます!車とか好きです!オス!」
言ったった!
オスとか…言ったった…//
放課後、緊張の連続で疲れた
校内、回ってみようかな
ちょこちょこと見て回る
夕暮れの紅い日差しが窓から差し込むと
さっきまでの世界が別物になる
母さんが言ってた
青春って思い出してからいいなって思うものだから、くだらない事でも色々やってみなさい、あとから思い返したらきっといい思い出になるよって
屋上への階段
…登ってみよう
校舎は四回建てだ
たいして高くはないと思ったけど
屋上に出るとやっぱり高いんだな
屋上…すみのほうにだれかいた
あれ…あの子!
朝見た子だ
カメラを…構えてる
僕に気づいたようで振り返る
長い髪が艶艶と夕陽に照らされて
なんだか…
それに。うっとりするほど綺麗だ…
「だれ?」
「あ、こんにちわ!僕村田智也!」
「ふぅん?」
そっぽ向いた
またカメラを構えた
んー…?
無愛想?
近づいてみる
何を取ってるんだろう
屋上の隅のほうのくぼみに
鳥の巣があった
それを狙ってるみたい
それにしても
この子、背が高い
170以上はあるんじゃないだろうか?
「あの、二年生ですか?」
「いぇす」
「カメラ、持ち込んでいいんですか?」
「ミーはカメラ部」
「カメラ部…」
「正式には写真撮影愛好会、部員は私だけ」
カメラを構えながらそう言う
「名前、なんて言うんですか?」
「ん?」
振り返ってまた僕を見た
なんだか、大人っぽいような、美人さん
中学生なんだけど…
綺麗な目
その瞳、他の人とは何か違う…感じがした
「私の名前は…」
それが、その人と関わるきっかけになった時の話
そして、今、高校生になった今も
彼女と共過ごしている
友達として
「智也くん、ジュース」
「はいっ!」
部活の後輩として
「ついでに焼きそばパン」
「はい…」
パシリ…として
共に。いる。
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