[エピローグ]
しばらく彩希と姉さんと生活していて三人の生活にも慣れ始めた頃
僕と姉さんはフリーで仕事をしながらなんとかうまいことやっていた
海外経験というのはやっぱりあって良かったと思う
随分腕も上がったようだ
車で、移動中
姉さんは書類に目を通している
カメラマン以外にも出来る事を増やしていかないと生きていけない
資格を色々取って別分野にも進出できるように勉強してるらしい
「姉さんは脱皮が早いよね」
「なんだい、その表現。」
「褒めてるんだよ。そのせいでいつまでも綺麗なのかもね」
「きゃー///」
お世話抜きで……綺麗なんだけど
ま、そんな姉さんが好き
仕事を終えて帰宅する前
姉さんが手を繋いできた
「ね?」
「ん?なに?」
「最近、エッチしてないよね?」
「あ、うん///戻ってきてからずっとだよね……タイミングが、分かんないや」
一応、彩希は同居さしてるおじさんって事だけど
まさか家の中でエッチできないしなぁ
見つかりでもしたら一生を壊しかねないし
ここで感じる姉弟という問題
お互い、歳を重ねたけどまだまだシたい年頃だし///
姉さんがニヤニヤしながら僕を見つめる
「昔みたいにさ、1日中したいよね、汗だくでさ」
「こら///我慢してるんだから辞めて///」
「もう一人欲しいなぁ……」
「え?」
「できれば男の子……」
「姉さん……」
「ま、欲張っちゃダメだよね」
「今のタイミングならもう一人できるんじゃない?離婚したばかりだし」
「瑞希くん、ダメ……」
さすがに、自分勝手過ぎか
彩希はかわいいから
そるで十分
姉さんがデコピンしてきた
ニヤニヤして昔と変わらない笑顔
「ピルまた飲み始めるからさ、楽しもうよ?」
「うん///久しぶりに姉さんの中でイキたいよ///」
「えろえろだぁあ///」
コソコソといちゃつきつつ彩希の幼稚園の帰りのバスを待つ
こうゆうの、いいな
僕がパパだよって言えないけど
大事にするからね、彩希
バスが来て彩希が真っ先に姉さんに抱きつく
それから僕にも抱きついてくる
すんなり受け入れてくれた
ほんっとに、いい子だ
家を買うか迷ったけど、結局マンションに住む事にした
前の借家の前を通ってから帰る
一瞬懐かしさを感じつつも立ち止まる事はなかった
彩希がはしゃいで公園に行きたいと言い出した
姉さんはダメって叱るけど僕が相手をしてあげて姉さんは一足先に帰宅して夕飯の準備
夕方の公園
人はいない
彩希はもうこの歳でカメラを使う
おもちゃのカメラだけど、さすが姉さんの子という写し方をする
「ねー、瑞希くん」
「んーなぁに?」
彩希にもくん付けされちゃう
「お花とりたいんだ!でもね、上からがいいかな?横からがいいかな?」
「んー……」
ほんっと、姉さんの子だ……
あれこれ撮っているうちに時間がたった
さすがにもう帰らないとな
彩希をなだめて帰宅する事に
手を繋いでくる
小さくてかわいい手
これから僕が守っていかなくちゃ
「ねー、瑞希くん」
「ん?」
「パパって呼んでいい?」
「ん?いや、パパじゃないよ。パパはいるでしょ?」
「なんで?パパでしょ?」
「え?!」
まっすぐ見上げる瞳にドキッとしてしまう
彩希は手をギュッとにぎる
「パパよりあったかいもん、おてて、瑞希くんがほんとうのパパだよ」
「彩希!きょうの夕飯の後アイス食べよう」
「きゃー///はーげんだっちゅがいいです!」
姉さんの直感力も似てるのか……
この先、どーなるんだろ
幸せだけども、不安だな
夜、彩希を寝かしつけてから
姉さんと二人きり
手を繋いでお酒を飲んだ
エッチはダメだから
こうやって静かに寄り添う
物足りない……けども心は満たされる
「今度さ、丸1日予定開けといたよ」
「ん?///」
「それ聞いただけでおっきくしてるぅ?あーあー、もうエッチなんだからぁ」
「ちょっ///」
このまま、幸せが続くといいな
二人きりの生活を懐かしく思う
あの頃の幸せと今の幸せは質が違う
どちらがいいとかじゃなく
同じくらい幸せだった
今は互いを信頼して背中を合わせて戦える
彩希のために
変な夫婦だけど
これからも幸せでありますように……
[end]
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