仕事中
西野くんが私と顔を合わせようとしない
なんかムカつくから呼び出して缶コーヒーをおごらせた
「なんなの?」
「いや、なんか……すんません」
「君はさ、強気な異性を屈服させたいんだね。そういう嗜好なんでしょ」
「......はい」
あの後、西野くんが抱きたいとしつこく言い出したので困っていた
結局、拳をグーにして振り上げたらおとなしくなった
「弱気になってる貴女を抱きたいとは思わなかったんですよね」
「ほぅ……」
「いつものワガママで強気な貴女を屈服させたいというか、はい、そういう願望が……」
「……」
「……すんません」
「弱気な時に抱いときゃ良かったね、もう二度とないよ」
「はい……」
「ばぁか……」
しょぼくれてる西野くんにデコピンした
彼に元気づけられたけど
もう弱みは見せない
私の体は瑞希くんのもの
投げやりな自分に反吐が出そうだ
週末
瑞希くんをある場所に連れて行った
二人が再会した公園
何か思い出せたらいいなって思って
二人でカメラを持ってしばらく撮影デートをした
瑞希くんが三脚を使って噴水を撮ろうとした
なかなか構図が決まらないのかシャッターを押さない
「瑞希くん、どした?」
「そういえばさ……」
「ん?」
「前からずっと姉さんって呼んでて名前で呼んでなかったよね?」
「え?」
瑞希くんがシャッターを押さずに私のほうを見た
ゆっくり微笑んだ
「彩花、ただいま」
「え?」
「待たせてごめんね」
「あ、、」
抱きしめた
ぎゅーっと
「思い出したの?」
「うん..ここに向かってる時からなんか戻ってきた」
「うぅ、、」
「姉さん、愛してる」
「あぅ、、」
「なんかさ、記憶を失ってからも姉さんを好きになってたよ?さっきまでモヤモヤしてた」
瑞希くんが笑いかける
愛おしくてキスをした
貪って時間を忘れた
早々に帰宅して
玄関に入るなり二人は体を重ねた
「いいっ、、いいっ、、」
「彩花、待たせてごめん。いっぱいイッてね」
「あ、ずるい、、、一緒にっ」
待ち焦がれたこの瞬間
弟の性を子宮で受け止めて
ぐったりと崩れ落ちる
そして、私も忘れてた事に気付いた
彼が戻ってきたら真っ先に言いたかったセリフ
「瑞希くん、、」
「ん?、、」
「おかえりなさい、、」
「うん、ただいま、、」
そのまましばらく抱きあったままでいた
また、、戻ってきてくれた
おかえりなさい、瑞希くん……
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