「いや、思ったより早く仕事が終わったもんで…好美が言ってたケーキを買って帰ろうと思ってな…」
好美も続けて
「パパがどうしてもケーキが食べたいって言うもんだから、大事な友達とのお茶をやめてパパとケーキ買いに行ったの。あ~あ、友情て儚いものね~アハハハハ」
と言い部屋へ上がっていった。
「先にお風呂にします?」
と言いながら私のカバンを受け取った。
その時に妻は、1度 何かの匂いを嗅ぐように鼻を吸ったけど何も言わずに夕飯の用意をしだした。
その後、数日は今まで通りに 好美が アハハハハと笑い 妻がニッコリとし たまに息子が苦笑いをする そんな生活に戻ったけど、私は好美を見るたびに自分自身が情けないやら恥ずかしいやら 顔を合わせづらかったが、普段通りの明るい好美に助けられ何とか平静を保てはしていた。
しかし同時に好美との続きを考えてしまう自分もいた。
好美はどうなのだろうか…
あの日だけ本当に可哀想だと哀れんでしてくれた事なのだろうか…
悶々とした日々が続いた。
デスクの上にあった書類の山を片付け、遅めの昼食を取りに食堂へ行く時に好美からメールが届いていたのに気づいた。
[パパ(*^_^*) ケーキおごって~
(*^m^*) ムフッ]
私はすぐに
[この前の店のケーキでいいか?何がいいか書いといてくれたら今日買って帰るよ]
と返信してから昼食を取り午後の仕事に戻った。
遅い時間に仕事が終わり、まだケーキ屋は開いてるかな?と思いながらメールをチェックすると好美から届いていたので、あまり難しい名前のケーキが書いてないように祈りながら見てみた。
[o(`へ')○☆パンチ!
\(`O´θ/キック!
今度二人で食べに行くのっ!!
次の日曜! OK?]
私は返事に困り
[解りました]
と だけ書いて送ると すぐに
[内緒ね]
と返ってきた。
土曜の夕食時に
「明日、取引先の人と打ちっぱなしに行ってくるよ。」
と妻に言うと
「はい。夕飯は?」
と返事があり、そんなに遅くはならないと思うと返すと、好美も
「私もこの前の友達に、お茶おごらされに行かなきゃ…友情も大変だぁアハハハハ」
と言い 妻も
「私も出掛けようかしら?」
と続け食器を片付けだした。何故か好美はそれを黙って見ていた
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