また相手を探す気も起きずに
妹と慎二が仲良くおしゃべりしているのを見て感じる
妙な孤立感
「真理亜ちゃんって着物似合うよね」
「え、、、そんな、、、嬉しいです、、」
「て、照れすぎじゃない?、、」
「だって、、、」
なんだか気に入らない
まわりに人間がいるのに
俺のまわりには誰もいない
帰宅して、座って
勉強をして
ベットに入る
もやもやした気持ちでどうしようもなくなる
コンコン
ドアがノックされて
目をこする
真理亜か
「なんだ?」
「いえ・・なんとなく」
「抱き締めてほしいのか」
「いえ・・・」
真理亜が椅子に座った
俺も電気をつけて向かい合う
「お兄様、なにかあったのですか?」
「え?」
「・・・・落ち込んでるようでしたから」
「別に・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
黙ったまま向かい合う双子
似てるようで違う
俺と妹は
妹は気品があっておとなしい
俺はガサツでうるさい
「お兄様は私以上に化け物かもしれません」
「ひどっ!まぁ、モンスター精神は持ってるぞ!」
「茶化してるのではありません」
「え?」
真理亜が俺の手に触れる
「お兄様は餓鬼です」
「まぁガキだな」
「違います・・・常に飢えているんです」
「・・・・」
たしかに物足りなさはいつも感じてる
「お兄様は言うなれば穴の空いたバケツです」
「・・・・せめてグラスに」
「注がれる事ばかり期待して注ぐ事を知らない」
「・・・どういう意味だよ」
「守屋先生と不倫してたでしょう?」
「あ!?、、」
「・・・分かりますよ、なんとなく」
真理亜が俺の髪を撫でた
「お兄様、まずは耐える事を学んでください」
「なぜ?」
「孤独を感じたらすぐに女性に手を出す癖を直さないといずれ不幸になる」
「やだ・・・俺は快楽に浸りたい」
「お兄様は忘れられない人がいるでしょう?」
「・・・・」
「その人のためにも。耐えて強くなってください」
「なんで?」
「愛されたいのでしょう?」
その台詞に胸をえぐられる
ひねくれて隠していた素直な気持ち
誰かに強く愛されたいって事
「愛されたいなら愛するしかないのです」
「俺は・・・」
「お兄様は常に見返りを期待してる」
また先を読まれた
「花は種を植え水をあげて待つから綺麗に咲くのです」
「・・・俺にはできない」
「できます」
「・・・・・」
「私も偉そうな事言ってますが、餓えてます。お兄様の気持ちは分かります」
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