姉さんの帰りがだんだんと遅くなる
たぶんCMの撮影とかテレビ出演で忙しいんだろうな
桂さんも付き添いでいそがしいみたい
僕はのんびり待ってよう
幸い、迎え・・・代わりに来てくれる人が見つかった
咲子さんの車が校内の駐車場に止まってる
やはり姉さんの師匠さんだ
凛々しくてかっこいい・・・
姉さんの目標だしな
ま、姉さんはふにゃふにゃしてる時も好きだけど
「お迎えに来たよ」
「いつもすみません」
「いいっていいって、代わりに夕飯ごちそうしてくれるんだからお安い御用」
これはどこのメーカーの車だったかな
「おは、ベンツだ」
村田先生が背後にいるのに気づかなかった
村田先生は咲子さんに軽く挨拶して車に近づく
「先生?」
「ん?」
「なにしてんの?」
「見てるだけ」
「ふーん」
いい車なのかな
まわりに車好き多いな
「瑞希!」
聞き覚えのある声
車のドアから胡桃ちゃんが出てきた
「あ、胡桃ちゃん?」
「・・・もっと驚け、、」
「びっくりした!」
「うざい!ばか、、」
なんか叩かれた
相変わらず気むずかしい子
「え!?花園胡桃!?」
村田先生がびっくりしてる・・・・
あぁ、そりゃあ有名人だからね
「瑞希、学校案内して」
「えー・・・」
咲子さんは行っておいでと言いたげに微笑む
「仕方ないなぁ・・・」
「ん、、車イス押してあげる。ありがたく思いなさい」
「わぁーい」
胡桃ちゃんが村田先生をチラリと見た
「・・・・何?」
「は、花園、く、胡桃ちゃん?」
「だったら何?」
「ファンです!」
「ん、そう・・・、、ありがと、、、、」
胡桃ちゃんはそっぽを向いた
胡桃ちゃんは村田先生に握手を求められたけど無視した
スタスタと学校に押し戻された
「胡桃ちゃんは無愛想じゃなくて照れてるだけだよね」
「うるさいっ、、、」
「学校なんか見ても面白くないよー?」
「瑞希がどんな所で生活してるか見たいの」
「ふぅん・・」
案内って言ってもなぁ
体育館から行きますかね
うちの学校の体育館はかなり広い
「ここ、体育館ね。うちの学校は体育館広いでしょ」
「べ、べつに・・・・ふつう・・・」
「素直に言ってほしいなぁ」
「・・・・・普通っ、、、」
「はいはい」
部活中の子の視線が胡桃ちゃんに向かう
「胡桃ちゃんってやっぱり有名人なんだね」
「やっぱりってなによ、失礼ね」
「はは、ごめん、、」
「ジュース買ってくれるなら許す、、」
「はいはい♪」
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