愛の誓いを交わし
そして二人の男女が口づけを交わす
二人が結ばれる瞬間
それはとっても幸福でみちあふれている
姉さんはカメラを向けて何枚かシャッターを押した
カメラを下ろして微笑む姉さん
やっぱり・・・姉さんはしたいんだろうな
結婚式・・・
式が終わり
次は披露宴
敷地内のホテルで行われるみたい
ご祝儀持ってきたから渡さないとな
なんかドキドキするぞ
胡桃ちゃんは相変わらず不機嫌だな
西野さんも来てるようだ
こちらに気付いて手をふる
「やぁ、二人とも」
「西野!」
「はいっ!?」
「今日はケーキ美味しいのあるの?」
「あ、あると思いますけど・・」
「無かったらひっぱたく」
「な、なんで・・・」
この二人、いいコンビだと思うんだけどなぁ
西野さん、あの一件から姉さんとは気まずいらしく西野さんから話しかける事は少なくなったようだ
そういえば姉さん、どこ行ったんだろ
「西野さん、姉さん見ませんでした?」
「ん?教会の式場にまだいたけど」
「あ、そうですか・・・」
なにしてるんだろ
ちょっと迎えに戻る
教会の隅のほうの椅子に座り
すこしボーッとしている姉さんを見つけた
「姉さん?」
「・・・・ん?」
「どうしたの?」
「ちょっとね・・・」
近寄って寄り添う
言葉もないまましばらく時が過ぎる
姉さんがぽつりと口から漏らした
小さな声で
「愛ってさ・・」
「ん?」
「いろんな形があるんだよね・・・」
「・・・・だよね」
「私ね、たまに自分のしてる事、間違ってるんじゃないかって思う」
「え?」
姉さんが静かに僕の手を握る
「瑞希くん、私の愛は間違ってないかな?これでいいのかな」
「・・・・姉さんも悩むんだね」
「悩むよぅ・・・」
姉さんの頭を抱え込むように抱き締めて頭を撫でてあげる
「たぶん、二種類ある、質の違う"愛"」
「ん?」
「相手を想うが故、嫌われる覚悟で叱ったりする"愛"と・・・愛してほしいから甘やかして依存させて執着させるつもりで注ぐ"愛"」
「・・・」
「姉さんも僕も程度は違うけど愛に飢えてたからね。後者の方をしてる時もあると思う」
「・・」
「姉さん、もっと僕を叱って」
「ん・・・?」
「それもきっと愛だよ。」
「・・・・」
「それでいいじゃない」
「うん・・」
「ずっと一緒にいようね」
「うんっ、、」
「姉さん、愛してます」
「私も、、、」
二人、静かに交わす口づけ
ひっそり交わす愛の誓い
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