屋敷に戻ると二人で暖炉の近くで暖まった
中津が着替えを用意してくれていた
着替えてから毛布で真理亜を包み込んでやる
強く強く抱き締めてやる
「・・・あの、、」
「なんだよ」
「・・痛いです、、」
「妹の抱き方知らねえもん」
「お兄様、、苦しい、、」
「・・・ずっとそう呼べ」
「え?、、」
「ずっとお兄様って呼べ」
「は、はい、、、」
真理亜の髪を撫でる
つやつやしてる
「あったかいか?」
「はい・・・」
「俺と一緒にいるならずっとあったかいぞ・・・」
「・・・・」
たぶん、次に言う台詞は分かってるんだろうな
「彩花さんがいるなら・・いいかも」
「俺もいるぞ」
「それは・・・・別に、、」
「俺はいらないのかよ・・・」
「はい、、」
照れながらも俺の腕をぎゅーっと掴む
妹か・・・・
妹ってなかなか愛らしい生き物じゃねえか!
「なぁ・・」
「・・・・さっきの墓はお母様とお父様のものです」
「あ・・・・」
また・・・読まれた
「昔から切りたかったんです。でも切れなかった・・・力が入らなかった」
「真理亜、あのさ」
「・・・・はい」
「・・・・俺がなに言うか分かるならいいか」
「聞かせてください、お兄様の声で、、」
なんか気恥ずかしいぞ・・・・でも言ってやる
「・・・二人でたくさん辛い思いをしたけど・・・これからは二人で生きていく努力してみない?」
「・・・・・」
「どう?」
「・・・・・」
「まだここにいたい?」
真理亜は何も言わず微笑んだ
それが答えだった
俺もつられて笑った
翌朝まで寝ずに暖めてやった
中津はなにしてたんだろ
彩花と真理亜と三人で朝食・・・
「冬休み、終わるなぁ」
「だね・・」
「彩花?元気ないね」
「ん?ううん、そんな事ないよ」
彩花・・何かあったのだろうか
数日後
トラック5台に荷物が積まれ
先に出発
全部真理亜の荷物だ
「中津さん、新しい住まいはどんな所なのですか?」
「おじ様に新しいお屋敷を用意してもらう間はすこし狭い所で暮らす事になりますね」
「そうですか・・・」
真理亜が俺を見て
ちょっとムッとしたような顔をする
「お兄様は甲斐性無しですね」
「なんとでも言え」
「はい、遠慮なく」
「・・・・・」
妹ってわがままだな
なんとか彼女をそばに置けるようになったが
まだまだ彼女を溶かすには時間がかかるかもしれん
空港へ向かう間も
彩花は何か気の抜けたようなかんじだった
どうしたんだろうか・・・
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