屋敷の離れに道場があるとはな
真理亜がくそじじいにおねだりしてつくってもらったようだ
築10年くらいだろうか
所々まだまだ新しい
真理亜は武道着に着替えたようだ
長い髪はまとめてある
なんだか凛々しい
「真理亜ちゃんかっこいい!」
「彩花さん、、ありがとう、、」
やっぱり気に入らない・・・
妹なんていなければよかったのに・・・
初老の男性が木刀を持って一礼した
お抱えの師範もいるのかよ・・・
「武術の世界では有名な方でおじ様の友人でございます」
「補足説明感謝します、中津ちゃん♪後で抱いてあげるからね♪」
「・・・・・チッ・・・・」
「す、すす、すみません!」
こわぁあああぃ!!
「お静かに」
中津に言われて口を閉じた
真理亜と師範の老人が木刀を交えた
防具は・・・・?なし?
カンッ!カンカッ!
なにも無しで切り合い!?
怪我するぞ!?
真理亜・・・すごい
なんだこいつ・・・
互角にやりあってる・・
ほんとうに、こいつ・・バケモノ・・・
30分ほど続いた切り合い
彩花はポカーンとしている
凄すぎたもんな・・・
真理亜はひと息ついて着替えに行った
あの師範は苦笑して腕を組んでいる
「いやはや・・・」
「あの、真理亜はいつから武術を?」
「幼少の頃からですよ」
「・・・強いですか?」
「物凄く、この私の若い頃でも五分とせずやられる」
師範は俺を見た
「君は双子の兄だったかな?」
「はい・・・」
「彼女が強いのは修羅の道を歩んできたからだ、普通、ああはならない」
「え?」
「彼女と剣を交えるとまるで自分の行動が読まれているようだよ。どこに切っ先を持っていくか、どう返すか、すべてね」
「どうしてあんな小娘に?経験豊富なんでしょう?」
「私はたしかに経験豊富だがな。・・・彼女は死線の近くで生きてきたのだろうね」
「死線・・・」
「ま、よかったら君もやってみなさい。体を強くするのは重要だぞ」
師範は苦笑して一礼して去っていった
五秒先が分かる
そう言ってたけど
本当に本当なのかも
「中津さんはどう思う?」
「・・・戦場から帰還した兵士は物音に敏感になります」
「ん?」
「真理亜様は我々以上に危険を感じるセンサーが発達していりのでしょう」
「・・・・体を淫らにいやらしく開発されて超敏感になっちゃった的な?感じ?」
「彩花さま、夕食のお時間です。参りましょう」
彩花の背中を優しく撫でる中津
「無視は良くないと思う!」
「・・・・」
無視・・・・ツライ
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