夜・・・なかなか寝付けない
やはり彩花を夜這いしに行こう!
それがいい!
・・・いや、でも中津が怖いからなぁ
どうしようかな
窓の外は真っ暗
雪風がごうごうと唸り荒れ狂っている
冬休みは僅かだが
その間ずっとここにいなければならないのか
あの妹
気に入らない
正直嫉妬しているのだろう
生まれて初めて・・・いや、今まで感じていたけどそれは他人の親子を見て感じた些細な、憧れにも似た嫉妬
自分では認めたくなかった
この俺様が嫉妬など
今は・・・今の感情は
生きてきたなかで一番大きい
恨めしい・・・ずるい
なんであいつが
双子の妹だけをつれていったのだ
なんで俺を残していったのだ
コンコンとドアをノックする音
誰だ?
「はい?」
「お兄様、入ってもよろしいですか?」
「ん・・・いいよ」
妹が入ってきた
俺はコップにお湯を注いでティーバックを入れた
このお茶はたしかミルクティー用のやつだ
ミルクは冷蔵庫にあったはず
「はい、お兄様」
「え?」
振り返ると妹がミルクを持っていた
なんで分かった?
「あ、ありがと」
「いえ」
微笑む彼女
嫉妬はしてるけど
純粋にかわいいと思う・・・
寝巻着も着物なのか
着物には詳しくないが
なかなかいいんじゃないかな・・・
「お兄様・・あの」
「なに?」
「すこしお話してもいいですか?」
「あぁ・・」
真理亜は静かに椅子に座った
「昔の事・・・お兄様はどんな暮らしをしていたのですか?」
「あ?・・・あぁ、別に。俺は親がいなかったから・・・でも寂しくなんてなかったよ」
「・・・お母様とお父様の事で・・・あ・・・危ない!」
真理亜がなにかハッとしたような顔をしてハンカチを取り出した
なんだ?
と手を動かしたら
ミルクティーの入ったマグカップをこぼしてしまった
「あちっ!」
すこし手に触れた
やけどはしてないみたいだけど
真理亜がハンカチで俺の手をふいてくれる
「やけどはしてないみたいですね。よかった」
「なんで?危ないって分かったの?」
「私は・・・・5秒先の事が分かるんです」
「へ?超能力?」
「あ、、、いえ、、、その、、、」
真理亜は机にこぼれたミルクティーをふいてため息をついた
「うまく説明できません・・パッと浮かぶんです。すこし先の事柄が・・それがハズレた事はありません」
「お前・・」
「気持ち悪いですよね」
「いや・・」
「・・ごめんなさい」
なんなんだ・・コイツ
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