朝の街の風は冷たく
朝日が空気を暖める前
僕と姉さんは手をつないで歩く
姉さんが連れて来たい所があるんだって
どこだろう
昨夜、咲子さんにメモリーカードを渡された
お年玉代わりのプレゼントだよ、だって
なんだろ
姉さん、今日はマニッシュなコーディネート
やっぱりかっこいい姉さんだな
「ついた」
姉さんがとある店を指差した
大きなガラス窓の向こうにコートが飾ってある
んん?
姉さんに連れられて店内へ、、
お店の中では70代くらいのおばあちゃんが何か作業をしていた
「おばちゃん!」
姉さんの声に気づいてこちらを向いた
ニッコリ笑ってちょいちょい手招き
「彩花ちゃん、いらっしゃい」
「できてる?できてる?」
「できてるわよー」
おばあちゃんが店の奥にひっこんだ
なんぞ?なんぞ?
「瑞希くんもオーダーメイドコートきなっせー」
「ひえ?、、、」
おーだー、、、めいど?、、
なになに?
僕の?
おばあちゃんが奥から仕立てたコートをもってきた
「始めまして、瑞希くん」
「あ、、はじめましてっ!」
「はい、コートよ、着てごらん」
手渡された
うわぁあああ、、、
なんだこれ、、
いきなりこんな上等な、、、
おばあちゃんが苦笑した
「セミオーダーメイドね、やはり会って仕立てないと完璧にはできないもの、ね?」
姉さんが頭をぽりぽりかいてる
なんか姉さん無茶ぶりしたのか
あ、、そういえば姉さんがしつこく採寸してきた事があったっけ、、
着てみる
なんだろ、これ
ぴったり、、、
すごくいい心地、、
グレーでウール生地
あったかい、、
おばあちゃんはニコニコ笑ってる
「昔の彩花ちゃんみたいね、かわいい子」
「でしょでしょ、天使でしょ」
なんかうっとりするくらいのいいコート、、
姉さんに頭を撫でられた
「アテクシからのプレゼントだよ」
「貰ってばっかり、、」
「そんな事ないよ、私も君からたくさん貰ってるから」
うれしー、、
姉さんが海外電話で事細かく採寸したのを伝えて仕立て貰ったらしい
普通はそんな事できないんだけど無理言って作って貰ったとか
いやぁ、、感謝感謝、、
店を出て改めて姉さんにありがとうって言った
「お返しは体でーっ♪」
この顔、小憎らしい、、、、
すっごくかわいい、、
いいお正月になったなぁ
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