浅草寺は、せんそうじ。泉岳寺は、せんがくじ。確かに、発音は似ているものの歴史的な意味合いや趣には大きな相違があるようだ。
大学に入学して、社会人になった現在まで、大分長い間、横浜あるいは東京西部方面に住んでいるのに、浅草寺=赤穂浪士とばかり思い込んでいたのは。歴女を自認する母の勘違いのせいだ。
おかげさまで、社会人三年目。当時の記憶が甦る。今思えば二年前の5月、母に同行して観光に来た超有名なこのお寺の門の入り口には、やはり泉岳寺と書かれていた気がする。5月の宵の薄暗さと観光どころではなかった当時の状況から、気にも止めていなかった。
うーん!私にとって、泉岳寺とは、何だろう?いにしえの歴史を感じとり先人を忍ぶ尊い場所というよりは。入社式の前日、母と一番長い日を共にした結果、その時点で自分にとって、最もエロ過ぎる女と化した母への変態的な妄想を膨らませ、苛まされた特別な場所である。
母に言わせると。風呂なし!職なし!車なし!女なし??の私。うーん。母が、敢えて私を女なし!って断定的に表現したその真意は何であろうか?。境内を歩きながら、考えていた。
時折、腕を絡ませてくる母の柔らかい身体を感じながら、淫ら過ぎる妄想が、再び頭の中を巡る。○○○がズボンの中で、これ以上ない位勃起していた。
隣で、しきりに歴女ぶって品を作る母だが。その心中を妄想で、読み解こうと試みていた。
貴方と私は、今日から大人の男と女。わざわざ、自慢したでしょ。母さんって、若いイケメン君から口説かれる位、魅力的な女なのよ。若い男って、情熱的でセクシーだと思ったわ。
貴方に、無性に会いたくなったのは、そんな時。母さんねえ。実は、貴方とヤルために、来たんだから。相模原の叔父さんとか調布の○○さんは、口実。入社する貴方のフォローって、パパに言ったら、凄く喜んでくれた。
私の献身的努力に、ついに貴方は、言ってくれたわね女は母さん一筋!とか。母さんに恋しちゃった!とか
今夜は、早く。ホテルで親子水入らずになりたいな。母さんと二人、楽しい時間を過ごしまししょうよ。口だけじゃなくて、態度というか○○○で示すのが、一人前の男というものよ!
ちょっと馬鹿じゃないの、寛司ったら。さっきからポカーンとしちゃって。
母の甲高い声が、またしても、閑散とした境内に響いた。
妄想に熱中していたため、母の問いかけを何回もスルーしていたらしい。
いよいよ泉岳寺から、今夜の宿泊地六本木へとタクシーで移動する。ゴールデンウィークの日曜日の夜は、スイスイとタクシーは進む。あの東洋英和の路地裏道で、降りた。
うわあ、やっぱり東京って都会。シックで素敵。
母と、細く曲がった坂道を、麻布交番を目指して歩いた。母が、100メートル位先にドラッグストアを見つけて指差した。
あったあそこ!さっきからドラッグストア探してたのよ。買いたいものがあるから。ちょっと待っててね。
母は、ボストンバックを私に預けると、白いタイトスカートをクネクネさせながら、店内に入って行った。クッキリと浮かび上がったパンティラインを見ながらさあもう少しで、母と。と思うと、胸がドキドキして来た。
※元投稿はこちら >>