おいしかった。やっと落ち着いたわね。簡単なサンドイッチとコーヒーだったがようやく母に、笑顔が戻った。渋谷で、ランチを逃したりで、二人とも何も食べていなかったのだ、お腹ペコペコじゃ母も私も疲れるはずだった。
調布駅前の線路沿いのビルの二階に落ち着ける格好の軽食喫茶を見つけて、そこに入った。
しかし、駅前であの時、もし調布界隈にラブホテルがあったりしたら。休憩を口実に、母はラブホテルに入りたかったような気がしてならなかった。
私と母は、お互い嵌めあい舐めあい擦り合う直前迄、発情していたのではないか?そんな妄想が、頭の中を巡っていた。正直、母の○○○に、思い切り射精したかった。
ここで暫く休んでいこうか?そんな私の妄想に気づいてづいているのかいないのか、母が、明るく言った。
ボストンバックの中から化粧道具を取り出すと、手慣れた様子で、化粧直しを始めた。
風薫る5月でも今日は暑かったわね。歩き過ぎ。
母の首筋からのパステルカラーのブラウスの胸の谷間ににかけて、吹き出した汗の雫が乾いていない。
今日は、私と貴方の一番長い日になったわね。と母がポツリ。
意味がわからずキョトンとしている私に。あっ!これね。第二次世界大戦が終わった昭和20年8月15日いわゆる終戦記念日のことを書いたノンフィクション。有名な小説のタイトル。日本の一番長い日。貴方知らないでしょう。
一番長い日とは、一番濃密な日と表現した方が、わかりやすいのかな。
得意そうに母。
うーん。確かに、今日は濃密だったかも。大学四年間は、アルバイト三昧で、九州に帰ることはほとんどなかったし。かといって。母さんが、俺の様子見に上京してくれるることもなかったよね。
化粧直しに一生懸命なのか手鏡に映る自分の顔を頻りに左右に傾ける母。わざと恨みがましく母に言って見た。
母が、化粧直しの手を休めながら。こちらに、申し訳なさそうな視線を向けた。
うんごめん。誤解されても仕様がないわね。実は、貴方が、自立した一人前の大人の男になるまで、じっとそっと待ってたのよ。
男の子って。母親が、必要以上に構いすぎると。マザコンにしかならないから。
そうすると、今回は、俺が一人前の男になったと母さん認めてくれたわけだね。
そう。一抹の不安と緊張を持ちながらの上京だったわね。昨日から今日、貴方の言動を観察させてもらって、もう大丈夫だって判断したのよ。
有難う母さん。凄く大事な話をしてくれたから、俺も白状しちゃうけど。この濃密な2日間で、母さんに恋しちゃった。
何故か、ぺニスがフル勃起してきた。マジに言ったので、母の顔から胸元が、うすピンク色に染まった。
母さん照れちゃうじゃない!息子が母さんに恋してどうするの?
真剣に言ったつもりが、母が、年の功で旨くちゃかしたところに。又、グサリと言ってやった。
母さんに言い寄ったアノ若い男の気持ちがわかるよ俺
えっ。そう来たか。女は、母さん一筋って言ってくれるし。孝行息子を持って嬉しい限りだわ。まあ、貴方と私は、今日から大人の男と女ってとこで。どうかな!?
ニッコリと意味深に、母が旨く締めてくれた。
母が腕時計を見た。
貴方と話してると尽きないけど、まだ三時半かあ。
私、これから、三田の浅草寺に行きたい。ホテルじゃ早すぎだし。母さん、筋金入りの歴女だから。ヒルズよりも赤穂浪士かな。さあ行こう、付き合って!
母が、元気よく立ち上がった。
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