夕飯はジャーマンポテトか
なんとも素朴だ
「いただきます」
もそもそと食べ始める
「んまぁい、、、」
「それは良かった」
大木の方に目をやる
日が暮れてもう薄暗いから見えない
「シャワーついてるの?」
「はい、ついてますよ」
「豪華ねー・・先使っていい?」
「あ、はい・・」
先に夕食食べちゃお
ふいに、西野くんが泣いているのに気づいた
「・・・え?」
「・・・すみません・・未練たらしくて」
やっぱり、苦しめてしまったんだよね
私・・・
抱きついて西野くんの背中をさする
「ごめんね、西野くん」
「好きです・・・貴女を奪ってしまいたい・・日本になんか帰したくない」
「ごめん・・・」
「・・・・す、すみません、、プロとして、仕事するんでしたよね」
「ごめん・・・ごめん」
彼は悪くないのに
私を好きなだけだったのに
傷つけてしまったんだ
「先生、俺は先生を脅迫したんですよ?悪いのは俺ですから」
「・・・ごめん」
シャワーを浴びる
節水のために水の量は少ない
しかたないか、早めにあがろう
髪と体は洗えたし
部屋着に着替えてバスタオルで髪をかわかす
「先生・・・あれ」
「ん?」
「ほら、木・・・」
大木の方に何か光るものが
「西野くん、あれホタル?」
「・・・まさか」
「なんだろ・・・」
「・・・ホタル?」
「まさかぁ・・・」
消えてしまった
なんだったんだろ
「ま、よく分からないですけど・・・」
西野くんがバスタオルで髪を拭いてくれる
「ほら、髪乾かさないと風邪ひきますよ?」
「ん・・・ごめん」
二段ベットか
ゆったりはできないな
「先生、俺もシャワーあびますね」
「おけー」
さらさらっとカメラの掃除をしておく
瑞希くん、会いたいなぁ・・・・・
西野くんと間違いは起こさないだろうけど
なんか揺れてる自分が怖い
なにか彼に償わなければいけないと思っているせいか
「ふぅ、水の出が悪いのはしたかないですね」
「んー、しゃーない、しゃーない」
「うんうん、しゃーない・・・ですね」
「ふふっ」
「ははっ」
久しぶりに日本語を話せる相手がいる
落ち着くなぁ
西野くんが隣に座った
私の頭を撫でて胸に引き寄せた
「貴女は瑞希くんのものだ・・・何もしません、ただ・・・ハグは許してください」
「うん・・・」
「貴女を抱いて、寝てもいいですか?」
断るべき、もし襲われたら・・・
それに・・・私は瑞希くんを裏切るわけにはいかない
でも・・・彼は何もしないと思う
そう信じて償うしかないのかも
私は静かに頷いた
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