髪を切ろう!
って思って学校の休憩時間に雑誌で美容院を探してる
いつも同世代の男の子よりも長めでやめてしまうから
今日はもっと短めに
姉さんには内緒にしよう
母さんに連れて行かれてた美容院に行ったら同じ髪型にされるから
違う美容院を探そう
「瑞希、なにしてんだ?」
「髪切るの、短くね」
「やめとけ、短くしたってお前はかわいいんだから」
「ぶん殴るよ?、、、」
「じょーだんだって!」
からかわれるなぁ、、、
女の子に聞いてみるかな
「香織、いい美容院知らない?」
「ん?んー・・・・知ってるよ」
「どこ?教えて!、、」
「やだ、、」
香織がにまにま笑う
何をたくらんでるんだよ、、、
「瑞希くん、髪切ってもかわいいだろうなぁ」
「僕ってなんなんだろ・・・」
「ふふ、、」
こうなりゃどこでもいいや!
いつも行ってた美容院以外ならどこでもいい
短くしよう
放課後、下校の準備をして早々に学校を出た
香織はにやにやしながらついてきた
「なんだよ?、、」
「瑞希くんの断髪式を見たくて」
「うがーっ!、、」
「ごめんごめん、、」
香織が教えてくれた美容院に行く事に
てか・・・いいんだよね、別に、床屋でも・・・
お金は用意してある
いつでも・・・よし
香織が待合室で待ってくれてるようだ
今日も料理指導してほしいらしいし
お店の人がエプロンをかけてくれた
「どんな風にしますか?」
「あ・・・」
短くしたら母さんが怒るんだよ
それでも・・・切る?
「お、おまかせで」
短めにって・・・言えなかった
結局、いつもと変わらないくらい
「あ、やっぱりかわいい、、」
「香織、怒るよ」
「ごめーん、、」
こういう細かい所で
いつも母さんの影が僕の判断を鈍らす
どうしても消えてくれない
香織と料理をつくっていると姉さんが帰ってきた
「わー、香織ちゃんだ」
「こんばんわ!」
「今日は夕飯はなに?」
「えへ、パエリアです」
「わーぉ、、」
姉さんが僕を二度チラ見して微笑んだ
「髪切ったのぉ?、、」
「うん、、」
「似合うねぇ、、」
姉さんは着替えに行ってしまった
やっぱり好きな人に言われると一番嬉しいけども
もっと・・・こぅ・・・りりしく、なりたい、、、
香織と夕飯を食べた後
香織が帰宅してすぐに姉さんに抱き締められた
「また何か悩んでた?」
「ん?いや、、」
「ほれほれ、聞いてあげるよ」
「髪・・・短くしたいの、言えなかった」
姉さんは僕が何を言いたいか察して頭を撫でてくれた
母さんの影・・消えないかな
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