仕事漬けの日々
スイスではのんびり景色を見るのが癒し
それだけでじゅーぶん息抜きになる
自然って、いいねー
父さんを車椅子に乗せてお散歩
「おとーさん、いい景色だね」
「あぁ・・・綺麗だな」
父さんが私を見てほほえんだ
「お前も、本当に綺麗になったな」
「おとーさんの娘だもん」
「はは・・そうだな」
たまに、一瞬だけ、暗い顔をする
なんだろう・・・・・この間は
「父さん、桂さんって友達?」
「ん?まぁな・・彼には貸しがあるんだ」
「へー?どんな?」
「内緒だよ・・」
家に戻る
父さんを抱き起こしてベットに寝かせる
介護も大変だな
まぁ、不治の病ではないし・・いつか元気になるよね
「彩花、今日はゆっくり休めよ」
「うん、お父さんと一緒にね」
「・・・そうかそうか、はは」
ネットで色々と記事を見ているとDNA鑑定の依頼が個人で安く依頼できるようになった・・・って記事を見つけた
鑑定・・・か
私は父さんの子供もだよ
疑うつもりなんか・・・ない
でもね・・・なにか胸がつかえる感じがしてた
父さんと私、顔つきもあまり似ていない
父さんはお世辞にも美男ではない
母さんは美女だったから母さん似なだけかもしれないけども
ただ気になってるだけ
晴れるなら、安いよね
父さんの毛と私の毛を小さなビニール袋に入れて
依頼用の封筒をポストに入れた
なにやってんだ、私・・・
仕事が終わり
帰宅する
桂さんとちょこちょこ会話できるようになった
マネージメントはきっちりしてくれる
無愛想なのにも慣れてきた
「桂さん、お酒飲みに行かない?」
「ん?あぁ」
「あんまり酔わないでよねー」
「そのままそっくりお返しするよ」
「む・・・」
お子ちゃま扱いするんじゃねーよ・・・・
ホテルのバーで一時間ほどお酒をたしなんだ・・・
「うぇえ・・」
「だから言ったろ・・」
「たくしー呼んでぷりーず」
「日本じゃあるまいし・・・それに呼ばなくてもホテルのバーだぞ」
「うー・・」
バーで酔うなんてぇ
お酒弱いのかな、私
部屋まで運んでもらった
「んー・・」
ベットに寝かされる
「二日酔いにならないようにな」
「づら、待って」
「づ・・・ら?」
「寂しいからそこに座ってて」
「しゃーないな・・」
桂がベットに座った
「私ね、おとーとがいるの」
「あぁ・・」
「会いたくて会いたくて、ここまで一人前になったの、立派になったの」
「・・・・・」
「もう、会いに行ってもいいかなぁ・・・探してもいいかなぁ」
桂は黙ったままだ
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