父さんが私の覚悟を認めてくれて、経験のために様々な国を転々とした
私が20歳を迎えた年に父さんは病気で倒れた
考えた末に父さんは引退して、スイスに永住する事になった
世界を転々とするなかで一番長く暮らした国だったし落ち着く
長く暮らしたと言っても4年ほどだけど
学校には通えなかったけどインターネットのスクールで勉強を学ぶ事ができた
学位も必要なんだよね
父さんの貯金から小さな一軒家を買った
山の近くの小さな小屋で近くに小川が流れている
いい景色にうっとりしつつ部屋の整理をする
荷物なんてほとんどないようなもんだ
着る物もおしゃれなものはない
ただ、あのコートは大切に着ている
単身でイギリスに戻り、何度かおばあちゃんの仕立て屋さんで仕立て直してもらったりした
来るたびに綺麗になったねぇってくれて嬉しかった
師匠も相変わらずだし、レオも元気だった
「彩花もだいぶ腕をあげてきたな」
「んー♪まだまだだよぅ」
父さんはベットでできる仕事をしている
パソコンがあればなんだってできる時代だもんな
暇が嫌いな父さん・・・尊敬してるけども
忙しくしすぎで倒れたんだから
もっとゆっくりして欲しいな
「彩花、ちょっと」
「ん?」
父さんが手招きをしたので近寄る
「彩花にサポート役としてマネージャーをつけようかと思う」
「へ?芸能人みたい!、、」
「はしゃぐな、、まったく、、」
大きめの封筒を渡された
なんだろ
「さぁ、初仕事だな、書類は中に入ってる行ってこい」
「え?うんっ、、、」
「マネージャーが迎えにくるからな、それまで玄関で待ってなさい」
「はぁーい♪」
びしっとコートを着て
道具を持って
お仕事に向かう
写真スタジオでモデルさんの撮影か!
うはー、、わくわくしてきた!、、
庭のベンチで座っていると迎えの車が来た
長身の日本人が出てきた
私よりでっかいな
私は今175cmくらいだから・・180くらいあるな
坊主で男前
でも私のタイプじゃないなー
私を見て、愛想笑いもせず
「桂だ、よろしく」
「あ、はじめまして!」
なになに?この人無愛想すぎない?
感じ悪い・・・
車に乗ったけど会話がない
どーしよ
父さん、人材選ぶの下手すぎじゃない
「か、桂さんはどうして私のマネージャーに?」
「君のお父さんから頼まれたんだ、それに俺も志願した」
「ほぇ・・」
「こき使ってくれてかまわない」
何か居心地が悪い
うまくやってけるのかなぁ
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