越してきてから数日寝付けにいる
寂しくて泣きながら布団にくるまる
弟がいてくれたら・・・寂しくないのに
一緒に住んでいても触れあう時間は少なかった
ご飯も私一人で食べたし・・・
母さんが独り占めしてた
小さい頃は私は嫉妬してた
なんで私の事は見てくれないんだろうって・・・ずるいって思ってた
でも・・・隙を見て弟と少し遊べるようになってから
弟の、瑞希くんの笑顔を見ると胸があったかくなった
かわいいの、すごく!
大好きになって可愛がりたくて仕方ない
私だって弟を独占したい!
って・・・
強く想うようになった
離ればなれになったから
もう会えないよね・・・
夜中に目が覚めた
私は慣れない部屋のベッドから出てカーディガンを着た
肌寒くて寂しい
今度おばあさんがコートを作ってくれるらしい
楽しみだなぁ
台所に行くとソファーでレオが寝ている
近寄って抱きつく
「レオ・・・寂しいよ」
レオは目をさましたようだ
静かに振り返って私の顔を見ている
「弟に会いたいよ・・・奪い返して抱き締めて、ぎゅーって、いつまでも抱き締めていたいの」
レオは静かに私の話を聞いている
「このままじゃ辛いよ
大人になって、また会えるのを待つしかないのかな
・・・・いや、そんなんじゃダメ
私から迎えに行かなきゃ」
灯りがついて飛び起きた
「彩花ちゃん?寝れないなら暖かい飲み物でも作る?」
「あ、、」
咲子さんが苦笑して冷蔵庫から牛乳を取り出した
「すみません、、」
「徹夜の仕事が終わって寝ようとしたら台所から何かブツブツ聞こえて・・・気になったからさ」
「わぁあ、、、やだ、、、」
咲子さんが暖かいチョコミルクをマグカップにそそいで私にひとつ渡してくれた
「さ、今日は彩花ちゃんの部屋で寝るか」
「え?、、」
「レオもおいで、これからは毎晩二人と一匹で寝るかね・・寒いし」
部屋に戻る
レオは私のベットの中にもそもそと入っていった
ベットに座って
暖かいチョコミルクを飲む
すこし心のコリが和らいだ・・・・咲子さんに頭を撫でられると落ち着く
「寂しい?弟くんに会いたいんだ?」
「うん・・・」
「弟くんかわいい?好き?」
「すっ・・・ごく!かわいい、、、大好き、、、」
「そっかそっか・・いいお姉ちゃんだね」
「大人になったら、迎えにいけるようにがんばる!」
咲子さんは私の頭を抱え込むように抱き締めてくれた
「よしよし、寝よう?ね?」
「うん・・」
いつか会える日まで
私は走り続ける
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