おばあさんに事情を説明しようとした
「迷子さん?」
・・・・説明するまでもなかった
おばあさんは苦笑してとりあえず店の中に入るようにと言ってくれた
レオも入っていいのかな・・・
「ワンちゃんもおいで」
いいのか・・・
「お行儀よくね、レオ」
レオは返事をするように尻尾を振った
店の中は洋服の生地が色々と・・・あれ?服はないの?
「さて、おうちの場所はどこらへんかな?」
「川の近く・・」
「川の近く?うーん・・・」
「月乃咲子さんって人のおうちに住んで・・・住む事になったんです」
おばあさんはハッとしてうなずいた
「あーあ、写真家さんの家ね」
「知ってるんですか!?」
「ええ、お友だちよ」
おばあさんはニコッと笑った
助かったぁ、、、
店の奥に案内されて
暖かいココアをいれてもらった
ようやくホッと一安心できた
「咲子ちゃんに電話しといたわ、後で迎えにくるって」
「わぁ、、、助かりますぅ、、」
「あ、そうだ、ケーキがあるの・・ちょっと待っててね」
「わぁあ、、ありがとうございますっ、、、」
おもてなしされまくりだな、私・・・
レオはお行儀もいいしお利口さんだ
頭をなでなでしてあげる
今度からお散歩の時は地図を持とう
おばあさんが銀色の食器トレーを持って戻ってきた
白いお皿にチーズケーキが乗っている
紅茶も・・・
「お嬢ちゃん、かわいらしいわね、お名前は?」
「そんな、、有村彩花っていいます!」
「あら、もしかして・・・・圭二くんの娘さん?」
「あ、はい!」
おばあさん、お父さんの事も知ってるのか
「圭二くんにコートを仕立てあげたんだけどまだ着てるかしら」
「グレーの襟がたってるコート?」
「そうそう!」
おばあさんがうれしそうに笑った
いつも肌寒くなる冬の少し前に父さんが箪笥から出してきてニヤニヤしながら着ているやつだ
大事そうにしてたなぁ
お店のほうの扉が開いた
咲子さんが迎えに来てくれた
「さ、咲子さぁん」
「ごめん!散歩任すには早すぎたね」
あー、よかった
無事に帰れる
「お嬢ちゃんが圭二くんの娘だなんて、縁があったのかもねぇ」
おばあさんがそういいながらちょっと間を置いてから・・・
「あ、そうだ!季節的にもちょうどいいわ」
「へ?」
なんだろう?
おばあさんはポケットからメジャーをとりだした
「ちょっとサイズを計らせてね」
「あ、え、、はい?」
ちゃっちゃと計られて
「スタイルいいわね」
褒められた、、、
え、、?
なになに?、、
なんなの?
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