タクシーに乗って数十分
レンガ建ての小さな庭のある一軒家についた
古いけどおしゃれな車が一台ガレージにある
父さんが玄関ドアについている呼び出し用のベルを鳴らす
しばらくして
きれいなお姉さんとかわいいワンちゃんが出てきた
ゴールデンレトリーバーかな?
まだちっちゃい、、、かわいい、、、
「咲子、久しぶり」
「有村先生・・・お久しぶりです・・・えっと?とりあえず上がってください」
長い髪のキレーなお姉さん・・・
家の中にあげてもらった
私が椅子に座るとワンちゃんが私の近くにきて尻尾をふっている
「レオって名前なんだ、仲良くしてあげてね彩花ちゃん」
おねーさんはウィンクした
あれ、自己紹介してなかったのに?
私の表情を見ておねーさんは微笑んだ
「赤ちゃんの頃に一度会った事あるんだよー」
「ほへ・・・」
「ま、初対面みたいなもんよね、月乃咲子、25歳、よろしくね」
「あ、有村彩花です!よろしくおねがいします!」
お茶とクッキーをいただいた
これはおいし、、、
「咲子、しばらく・・・・いや、長くなるがここに置いてほしい」
「は?・・・かまいませんが、仕事ですか?」
「ん、まぁな」
なんだか二人の間の空気が不思議な感じ
父さんの弟子?
だけじゃないような・・・・
「あ、あの!」
「ん?」
二人が私のほうに視線を移す
「学校!どうするの?」
私が一番不安な事
咲子さんが首をかしげた
「近くに移住してきた日本人向けのスクールがあったような・・・うん、あるはず」
「そう・・・ですか・・・」
「生徒も日本人ばっかりのはずだよ?英語できなくてもへーき」
咲子さんは私の背中を撫でた
ほっとひと安心・・・英語は苦手だよぅ・・・
「有村先生、移住なさる気ですか?ご家族は?」
「離婚した・・」
「あ・・・」
咲子さんが服の裾を強く握るのが見えた
どうしたんだろう・・・
しばらくはここで暮らすのかぁ・・・・
お庭でレオと遊ぶ
ボールを転がすと夢中になってはしゃぐワンちゃん
瑞希くんともこうやって遊びたかったなぁ
レオは生後どれくらいかな?
まだ成犬じゃない
ポケットからカメラを取り出す、かりかり巻いて構える
「レオ、笑って」
ワンちゃんは息をはあはあさせる時笑ってるように見える
ぱしゃっと一枚とってみた
最新式のデジタルカメラならすぐに確認できるんだけどな
これはお父さんのお古だし・・・
こんどおねだりして買ってもらおう
空を見上げて
想う人・・・
瑞希くん・・・
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