図書室に行こうとして香織に呼び止められた
「瑞希くん、一緒に帰ろ?」
「あ・・僕、図書室寄るんだ」
「え?じゃあ一緒に行っていい?」
「いいよー♪」
「わぁい♪」
やっぱり昔と変わらないなぁ
図書室は人気があまり無い
まぁ、読書家なんで学校で僕くらいか
「広い・・すご」
「いっぱいあるよ、見ておいでよ?」
「うんっ」
香織が本棚を見ていく
小学校の図書室と比べたら相当広い
「瑞希君、面白い本たくさんあるね!卒業するまでに読みきれないかも」
「ははっ、僕もそう思ってる♪」
本を選んで椅子に座って机にこっそり持ち込んだお菓子をひろげて
昔もこうだった
二人で本を読んで暗くなるまで図書室にいた
静かに流れる時間
会話は少ないけれどとっても満たされる
「瑞希くん、私、友達できるかなぁ?」
「もう何人かと話してたじゃん?」
「えへ、、まぁ、、、」
「香織なら友達いっぱいできるよ」
「うんっ、、」
読みふけって夕方
香織を家まで送ろうかな
「瑞希くん、帰ろっか?」
「うん、また明日読みに来ようかな」
「あ、そだ、お母さん元気?」
「・・・しんじゃった」
「え・・・・ごめん」
「ううん、いいよ」
香織がうつむいてしまった
外履きに履き替えた
もう薄暗い、外灯の灯りがきれいだ
「瑞希くん、おうち寄っていい?」
「え?」
「私、お祖母ちゃんの家で暮らしてるんだ・・・門限ないし、心配もしないから」
香織はうつむいた
なんだか寂しそう
「いいよ、二人でごはん食べよ?」
「いいの?」
「うん、ただし前と違う所に住んでるんだ、マンションに」
「へぇ、、誰かと一緒に住んでるの?」
「うん、姉さんと」
「あ・・・・」
「覚えてる?」
「うん、少し」
「親が離婚してさ、名前も違う・・・有村彩花って人、僕の姉さん」
香織がびっくりして言葉が出ないようだ
「え・・・・うそ・・・・大ファン・・・え?うそ、うそ・・すごい!なんで?」
「あ、本当だよ、落ち着いて?」
「あ、ごめん、、、うそぉ、、大好きな写真家さんだよ」
姉さんやっぱり有名人だな、、
「姉弟揃って美人さんだね?」
「僕は美人じゃない、、」
「ごめんごめん、、」
帰宅
久しぶりのお客さんだ
「えと、お邪魔します」
「スリッパ、どうぞ」
「わぁ、ありがと、、」
さて、夕飯作ろうかな
「瑞希くん、手伝うよ、私もちょっとなら料理できるよ?」
「そう?じゃあ・・・野菜洗ってくれる?」
「はーい」
なんか嬉しいな
姉さんいなくて寂しかったから
でも香織は友達
変な事はしない
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