「おお、美味いね」
姉貴にお弁当をさしあげた
ご満足いただけたようです
「結愛ちゃん、かわいくて料理上手で完璧だね」
「えへへぇ、、」
色々と話をした
佐方先生は結婚してるけど子供はまだいないらしい
私の身の上話もそれとなくした
お父さんとの関係はもちろん秘密
「一人っ子なんだ?私には姉がいてね」
「へぇ、、」
「双子の姉でね、イギリスにいるの・・月乃咲子って名前、あ、私の下の名前は凛子ね」
「ほぇ、、双子とか素敵ですね、、」
「素敵?かな?・・・姉はずーっと独身なんだ」
「独身ですか・・私もたぶんずっと独身かなぁ」
「へー?もったいない」
お父さんとは結婚できないしね・・言えないなぁ、こういう事
「姉は写真家なんだけどね、イギリスで弟子ができたってはしゃいでる」
「へー・・・」
弟子・・かぁ
なんか素敵、、
私、師弟関係とか萌えるし好き、、、
「どう?授業は慣れた?」
「んー、まだまだです」
「ま、そのうち慣れるよ・・・生徒の間でも君は人気らしいしね」
「え、、まじっすか、、」
嬉しいなぁ、、、
週末、サーキット
やっぱり貸してくれなかった
歩さんの所有してる車を借りさせてもらった
HONDAのS2000
かわいくないけど速そう
「結愛、乗るな!そんな車!」
「うるさい」
「・・・」
お父さん、ついてきたし
心配しすぎ
歩さんがヘルメットをかぶって手招きした
「結愛ちゃん、ちょいちょい」
「はーい?」
「後輪駆動の車には初めて乗るよね?」
「はい、FR初心者です」
「ゲームで理論的には分かってるかもしれないけど、実際に乗ると違うもんだよ、さ、ちょっと乗ってみな」
「はぁーい」
ヘルメットをかぶって
深呼吸・・・
キーを回しエンジン点火
車は生き物だ
その日によって機嫌が違う
ステアリングを撫でてあげる
初めまして、よろしくねって
心の中でささやく
クラッチを踏み、ギアを一速へ、
アクセルを・・・踏む
この時間が好き、車とひとつになれる
夕方、サーキットからの帰り道、車の中でうーんと伸びをした
「結愛ちゃんいいセンス」
「へへぇ、、」
お父さんは運転席でしかめっつら
でも私がほっぺたをつつくとデレデレし始める
簡単だなぁ、、
「お父さん、私の走りはどうだった?」
「よく攻めてました、、」
「お父さんを越える日は近いかな?」
「それはねぇよ!」
お父さんかわいいなぁ
子供みたい、、、
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